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《コラム》おしどり贈与の選択
婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を課税されずに贈与できるのが、おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)ですが、制度を活用するときは事前の検討が必要です。
◆おしどり贈与を選択する場合
①配偶者の生活保障
配偶者と子に相続争いの生じるリスクに備えたいとき、何よりも配偶者が安心して居宅に住み続けたいときは、おしどり贈与で配偶者の生活拠点を確保できます。
また、おしどり贈与は特別受益とならないので遺産分割の際、配偶者は生前贈与を受けた居宅のほかに預金や株式などを法定相続分で取得し生活の原資を確保できます。
②税制上のメリット
おしどり贈与は、贈与税の課税価格から最大2,000万円まで控除(ほかに基礎控除110万円も適用されます)され、生前贈与加算の必要もありません。ただし、取得時に不動産取得税と不動産登記の登録免許税、取得後は固定資産税がかかります。
おしどり贈与は配偶者が居宅の贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住の用に供し、かつ、その後、引き続き居住の見込みであるときに適用されます。適用を受けた後、事情が変わり居宅を売却したときは、居住用財産の譲渡所得3,000万円控除のほか、所有期間が10年超であれば、軽減税率の特例(譲渡所得金額6,000万円まで、所得税10%、住民税4%)を適用できます。
◆おしどり贈与を選択しない場合
①相続人の争いが見込まれないとき
配偶者が子供夫婦と良好な関係ができているときは、おしどり贈与を選択せず、家族会議で夫婦の希望を子に伝えて遺産分割で配偶者に居宅を取得させることもできます。また、遺言書を作成して夫婦の意思を示しておくこともできます。
②税制上のメリット
おしどり贈与を選択せず、相続や遺贈で配偶者が居宅を取得する場合、居宅の宅地に小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)を適用でき、居住用宅地の課税価格の80%(330㎡まで)が相続税の課税価格から減額され、相続税を大幅に圧縮できます。
また、相続税の算出時には配偶者の税額軽減が適用されるので、課税価格1億6,000万円又は配偶者の法定相続分のいずれか大きい金額まで相続税は課税されません。
配偶者が居宅を売却する場合には、譲渡所得3,000万円控除の特例や所有期間10年超の軽減税率の特例も利用できます。
2026年9月9日更新
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