●新築の場合
新築分譲建物などについて消費税の額に関係するため、売主において土地と建物との価格区分がなされており、契約書に消費税額の記載があることから建物の取得価額が容易に判別できます。従って土地の価格も残余の価格として容易に判別できます。
●中古の場合
中古物件については、土地と建物の価額の区分についてその売主においても容易には把握できず、それぞれの時価を推測して見積もる必要があります。
建物の取得時価は、計算的には再調達価額により求めますが、これは現在の一般的建築単価に面積を掛け、そこから減価償却費を控除して算出します。
土地には中古概念はありません。土地の取得時価は、計算的には相続税評価額や固定資産税評価額を公示価格ベースに換算して求めます。
これらの算出時価の比で、取得に際して支払った総額を按分して土地建物のそれぞれの時価額を確定します。
●固定資産税評価額は使えないか
按分比については固定資産税評価額での比は使えないでしょうか。建物の固定資産税評価額は新築等された際に算定されていますが、一般的に取得価額の5割から7割に定められ、それは毎年同じ価額が納税通知書に記載されています。
土地は3年ごとに評価替えがなされ、それは概ね公示価格の7割を基準に定められています。
時価は動的なものですから、このように市場の変動への感受性の鈍いもの・割安の設定になっているものは、土地重課の時代には時価算定の価額按分の尺度としては使われていませんでした。
●最近は変わった
ところが税務署および審判所は、固定資産税評価額が同一の機関で土地及び建物の評価を行うものであるから、その比を一括購入価額に乗じて建物の価額を算出するのは相当というようになっています。
むしろ相続税評価額の比での按分計算は公の機関での評価額ではないので、忌避されています。