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【時事解説】経済主体別金利引き上げの影響 その2
次に、国内で最大の借入主体である国家財政について見てみましょう。現在の国債残高は1,145兆円を超える巨額です。その元利金の返済原資は税収になります。26年度予算によれば、税金等の収入は約84兆円ですから、収入の約14倍もの借金を抱えていることになります。借金の額が巨額なだけに上昇幅が少なくても利上げのインパクトは大きくなります。国債の償還期間は通常10年なので、金利上昇効果は即時に出てくるわけではありませんが、徐々にボディーブローのように効いてきます。
1,145兆円の借金に対し、0.5%の利上げがフルに影響すると5.7兆円の利払費の増加になります。5.7兆円は歳出で見れば、ほぼ文教及び科学技術振興費に匹敵する額になります。返済原資となる租税収入の約7%になりますから、相当のインパクトになります。
収支の原則からすれば、利払費の増加は収入の増加、すなわち増税等で賄うのが常道ですが、現在の政治状況を見れば、増税は簡単ではありません。増税が難しいとなると、残る手段は新たな国債発行しかありません。つまり、借金の利息支払いのために新たな借金を重ね、それにより借金が益々増加し、さらに利払い費が増えるという悪循環に陥る恐れがあります。
金利上昇が経済主体に与える影響は借入金の依存度に応じて異なります。収入に対する借入金の倍率を上記のように住宅ローン借入者は6倍、国は14倍と仮定すると、0.5%の金利上昇の収入に対する割合は、住宅ローン借入者は3%、国は7%となります。
金利上昇は年収よりはるかに多い金額を借りている変動型住宅ローン利用者はかなり打撃ですが、年収を維持して節約すれば、何とか生計の維持は可能でしょう。やはり、最大の問題は国家財政への影響です。国としては、金利上昇はできるだけマイルドに抑えながら、その間に経済成長が加速して税収が増加することを望んでいるでしょうが、その実現は簡単ではありません。いうまでもなく、金利上昇は国家財政にとって相当な鬼門となります。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2026年7月17日更新
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