2023年(令和5年) 4月、27年超の間、勤務した川崎の税理士法人を離れ、横浜・鶴ヶ峰で独立開業(正式名称:松土郁元税理士事務所 登録番号:第94165号)致しました。
開業から時間が経つにつれ、開業税理士としての ”自由”を謳歌しつつ、「税理士としての仕事の意味」を改めて考える機会が増えています。勤務時代は、組織の中で一定の役割を担い、多くの案件を効率的に処理することが求められていました。
しかし独立後は、その一つひとつの案件に、経営者の方々の不安や期待、悩みや覚悟がより強く伝わってくるようになりました。数字をまとめ、申告書を作成する作業の裏側には、必ず“人の想い”があります。
その想いを丁寧に受け止めることこそ、税理士としての本質なのだと、気付かされました。
横浜・鶴ヶ峰という地域は、昔ながらの人情味が残る温かい街です。
ご相談に来られる方々は、地元で事業を営む方、代替わりを控えた方、新規開業されたばかりの方など、背景はさまざまです。ただ、皆様に共通しているのは「誰に相談したら良いか分からない不安」を抱えているという点でした。
税務や経営の問題は、AIに聞いても判断しづらく、ましてや制度は年々複雑化し続けています。その中で、身近な専門家として頼っていただける存在であることに、責任とやりがいを感じています。
また、独立して感じた大きな変化として、AIにはない「伝える力」の重要性があります。制度や条文を理解するだけでは十分ではなく、お客様の置かれている状況に合わせ、どのように説明すれば不安が和らぎ、次の行動への道筋が見えるのか。自分の言葉選びや説明順序、資料の作り方一つで、お客様の表情が大きく変わることを、開業後に強く実感しました。
専門性を磨く努力と同時に、お客様の立場になって分かりやすく伝える力を磨くことも、人間にしかできない開業税理士としての重要な研鑽の一つなのだと考えています。
開業から現在まで、多くの方に支えられながら日々の業務を続けていますが、その中で、税理士会やデータ通信協同組合の存在のありがたさを改めて感じています。
会務、研修、情報共有の機会など、税理士法人に在籍していたときには得られない視点や学びが多くあります。とりわけ、実務に直結する情報や、制度変更に伴う最新の論点は、会報誌や研修会などで得るものが非常に多く、また電子申告やダイレクト納税を進めるうえで、データ通信のサポートセンターには、日頃から大変助けられています。
これからも、地域に根ざした開業税理士としてお客様にとって最も身近な相談相手であり続けることを目標に、誠実な実務と継続的な研鑽を積み重ねてまいります。
税理士会や東京地方税理士会データ通信協同組合の一員として微力ながら貢献できるよう、初心を忘れず「勇往邁進」の精神で取り組んでいきたいと思います。
(記: 保土ヶ谷地区 松土 郁元)