令和7年度の税制改正のうち、その適用が令和8年からとなるものもあるが、退職所得の源泉徴収票・特別徴収票の提出範囲が見直されていることもその一つ。
令和7年までについては、退職手当等の支払者である会社が社員(従業員)の源泉徴収票等を税務署と市町村に提出する必要があるのは、受給者(居住者)が役員の場合のみとなっていたが、改正後は全ての居住者になり役員や社員に拡大されている。
退職所得の源泉徴収票・特別徴収票は、退職金などを支払った全ての役員や社員に対して作成して交付する必要があるが、税務署や市区町村に提出するのは役員に対してのものだけとなっていたが、この改正により受給者が社員の場合も提出することが必要となったわけだ。
退職所得の源泉徴収票・特別徴収票の様式は国税に係る退職所得の源泉徴収票と地方税に係る特別徴収票の兼用となっている。令和7年までは、退職手当等の受給者が法人の役員の場合、受給者交付用、税務署提出用、市町村提出用の3通を作成し、それぞれに交付・提出する必要がある。
受給者が法人の役員以外の社員の場合は、税務署提出用、市町村提出用は不要とされていたため、受給者交付用のみ作成・交付で済んでいたが、改正後は、受給者が「居住者」に該当する場合は、3通すべての交付と提出が必要となる。今後は、受給者が役員か社員かによる違いはなくなり、いずれも税務署と市町村への提出することになる。
社員に対して交付する退職所得の源泉徴収票や特別徴収票についても税務署や市町村に提出が必要になる時期は、令和8年1月1日以後に支払うべき退職手当等についてとされている。
この改正は退職日ではなく支払日ベースで判断することに注意したい。仮に令和7年12月に退職した社員について退職金を令和8年1月に支払ったとすると、この社員についての退職所得の源泉徴収票や特別徴収票を税務署と市町村に提出することになる。