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【時事解説】内部留保の使い方の難しさ その1
「内部留保」という言葉を会計とは離れて一般的に理解しようとすると、会社の内部に貯め込まれた留保金、つまり当面使う当てのない現金預金と考えるのも無理はありません。この解釈を財務諸表にあてはめると、内部留保は資産の現金預金のうちの余裕金の部分ということになります。余裕金の部分の限定が難しく、この意味の内部留保を財務諸表上厳密に特定することはできませんが、大雑把にいえば財務諸表の現金預金ということになるかと思います。
一方、内部留保の会計的理解は利益剰余金とするのが一般的です。利益剰余金とは企業が事業活動によって獲得した利益から、納付する税金や株主に分配する配当等を除いた残額になります。税金や配当を支払った残額の利益はそれ以上支払うものはありませんから、純粋に利益の余剰として財務諸表上表示されます。
このように内部留保は一般的理解と会計的な解釈とは大きく異なります。財務諸表上で表現すると、一般的理解では借方の資産の現金預金の一部となるのに対し、会計的には貸方の株主資本の利益剰余金となります。利益の余剰を現金として積み立てているとすれば、その両者は金額的には何となく似通ったものになるということはあるかもしれませんが、両者の会計的性格は明確に異なっており、その違いは以下のように内部留保の使い方の難易度に格段の違いを生じます。
「内部留保を利用して従業員給与や設備投資を行えばいい」というとき、一般的理解における資産の現金預金を利用するとすれば、話は実に明快です。複式簿記の仕訳を起こすなら、借方に給与や機械、貸方に現金預金を記帳すれば、内部留保を使って給与や設備投資を行うことができます。
しかし、会計上の内部留保の定義である利益剰余金を使って給与支払いや設備投資をすることはできません。それは以下のような理由によります。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
2026年4月17日更新
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