土居 邦明 税理士事務所
Tax consultant for those who create new businesses
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名著・名言
*楽しみは馬の背の上、本の中 そして女の腕の中 <アラブの諺>
*ただ しずかなるを望みとし、憂え無きをたのしみとす。 <鴨長明>
*官僚的な人物 臆病と創意の欠如とが、今日までつねにわが国において、実務的な人物の重要にして最善の特質と考えられてきた。
<ドストエフスキー・白痴>
2018-5-9 男の魂は宇宙の果てまでさまよう、だが、女はそれを家計簿の中に閉じ込めたがる。
<モーム・月と六ペンス>
*私は平均より少し背が低い。この欠点は醜いだけでなく、とくに命令を下し、重い職責を担う人たちには都合の悪いものである。なぜなら肉体的に堂々とした威厳ある風采が与える権威に欠けるからである。
<モンテーニュ・エセー>
*西洋流社交 レディ、レディと口ではうやまいながら、腹の中ではよその奥さんを女として鑑賞し、そのかわり自分の女房をも、他人が女として鑑賞するのをゆるす、というシステム。女の社交能力には、いくばくかの娼婦性がひそんで来ることは当然であって、この点古代ギリシャや日本のように、女をはっきり娼婦と母性に二分し、芸者的なものと家女房的なもの、くろうととしろうととに分けてしまってきた社会とは、そこにおのずから相違がある。
<三島由紀夫・反貞女大学>
*スポーツマンシップ 「そんなことは考えられないことですが、いつかインドがイギリスから離れるときがくるかもしれません。アイルランドもアフリカも豪州も。そしてイギリス帝国が地球から消えるときが来るかも知れません。いつか日本に帰ってそんな話をきくようなことがあっても、貴方に覚えてもらいたいことが一つある。芥子粒のようなこの小さな島の上で、このイギリスという可笑しな国民がやはり今まで通り、バットを振り球を蹴っているだろう、そしてスポーツマンシップなどということを後生大事に崇め祀って・・・・。可笑しい国民ですよ、イギリス人という奴は・・・・」
<池田潔・自由と規律> 1949
*平和 私の夢想の果てにあるものは、つねに極端な危機と破局であり、幸福を夢みたことは一度もなかった。私にもっともふさわしい日常生活は日々の世界破滅であり、私がもっとも生きにくく感じ、非日常的に感じるものこそ平和であった。
*どこかで死につながっているということほど、軍隊を輝かしいものにするものはあるまい。これに反して、文学者は自分の栄誉を、自分がすみずみまで知悉しているがらくたから拾い出して、それを丹念に磨き出すことしか知らないのだ。
<三島由紀夫・鉄と太陽>
*人間 に最もふさわしい定義は、恩知らずの二本足だ、と俺は思っている。最も重要な欠点は、絶え間なき善行の不在だ。
<ドストエフスキー・地下室の手記>
*結婚とは 意見の不一致が憎しみを生むのではなく、憎しみが意見の不一致を生むようになりました。妻がどんな意見を言おうと、私は聞く前から反対でした。妻の方もまったく同じだったのです。
私が固執した意見というのは、決して譲りがたいほど自分にとって大切なものではありませんでした。しかし妻が反対の意見である以上、意見を譲ることはすなわち妻に屈服することになります。それは私にはできない相談だったのです。
<トルストイ・ クロイツェル・ソナタ>
*旧軍人の書いた戦史 及び回想は作為を加えられたものであることを忘れてはならない。それは旧軍人の恥を隠し、個人的プライドを傷つけないように配慮された歴史である。さらに戦後25年、現代日本の軍国主義への傾斜によって、味付けされている。歴史は単に過去の事実の記述に止まらず、常に現在の反映なのである。
<大岡昇平・レイテ戦記>
*ただ しずかなるを望みとし、憂え無きをたのしみとす。 <鴨長明>
*官僚的な人物 臆病と創意の欠如とが、今日までつねにわが国において、実務的な人物の重要にして最善の特質と考えられてきた。
<ドストエフスキー・白痴>
2018-5-9 男の魂は宇宙の果てまでさまよう、だが、女はそれを家計簿の中に閉じ込めたがる。
<モーム・月と六ペンス>
*私は平均より少し背が低い。この欠点は醜いだけでなく、とくに命令を下し、重い職責を担う人たちには都合の悪いものである。なぜなら肉体的に堂々とした威厳ある風采が与える権威に欠けるからである。
<モンテーニュ・エセー>
*西洋流社交 レディ、レディと口ではうやまいながら、腹の中ではよその奥さんを女として鑑賞し、そのかわり自分の女房をも、他人が女として鑑賞するのをゆるす、というシステム。女の社交能力には、いくばくかの娼婦性がひそんで来ることは当然であって、この点古代ギリシャや日本のように、女をはっきり娼婦と母性に二分し、芸者的なものと家女房的なもの、くろうととしろうととに分けてしまってきた社会とは、そこにおのずから相違がある。
<三島由紀夫・反貞女大学>
*スポーツマンシップ 「そんなことは考えられないことですが、いつかインドがイギリスから離れるときがくるかもしれません。アイルランドもアフリカも豪州も。そしてイギリス帝国が地球から消えるときが来るかも知れません。いつか日本に帰ってそんな話をきくようなことがあっても、貴方に覚えてもらいたいことが一つある。芥子粒のようなこの小さな島の上で、このイギリスという可笑しな国民がやはり今まで通り、バットを振り球を蹴っているだろう、そしてスポーツマンシップなどということを後生大事に崇め祀って・・・・。可笑しい国民ですよ、イギリス人という奴は・・・・」
<池田潔・自由と規律> 1949
*平和 私の夢想の果てにあるものは、つねに極端な危機と破局であり、幸福を夢みたことは一度もなかった。私にもっともふさわしい日常生活は日々の世界破滅であり、私がもっとも生きにくく感じ、非日常的に感じるものこそ平和であった。
*どこかで死につながっているということほど、軍隊を輝かしいものにするものはあるまい。これに反して、文学者は自分の栄誉を、自分がすみずみまで知悉しているがらくたから拾い出して、それを丹念に磨き出すことしか知らないのだ。
<三島由紀夫・鉄と太陽>
*人間 に最もふさわしい定義は、恩知らずの二本足だ、と俺は思っている。最も重要な欠点は、絶え間なき善行の不在だ。
<ドストエフスキー・地下室の手記>
*結婚とは 意見の不一致が憎しみを生むのではなく、憎しみが意見の不一致を生むようになりました。妻がどんな意見を言おうと、私は聞く前から反対でした。妻の方もまったく同じだったのです。
私が固執した意見というのは、決して譲りがたいほど自分にとって大切なものではありませんでした。しかし妻が反対の意見である以上、意見を譲ることはすなわち妻に屈服することになります。それは私にはできない相談だったのです。
<トルストイ・ クロイツェル・ソナタ>
*旧軍人の書いた戦史 及び回想は作為を加えられたものであることを忘れてはならない。それは旧軍人の恥を隠し、個人的プライドを傷つけないように配慮された歴史である。さらに戦後25年、現代日本の軍国主義への傾斜によって、味付けされている。歴史は単に過去の事実の記述に止まらず、常に現在の反映なのである。
<大岡昇平・レイテ戦記>
*人口が減っていく日本国内 のマーケットに未来はない、といった声をよく耳にするが、超高齢化社会に向けたイノベーションにとって、日本経済は大きな可能性を秘めているのである。
<吉川洋・人口と日本経済>
*大和は国のまほろば たたなずく青垣 山こもれる 大和しうるはし
*見渡す限り、国の中にかまどの煙の立つのが見えない。これは国に住む者がすべて貧しいからであろう。これから三年の間は、人民の租税や賦役をすべて免除することにしよう。 <古事記>
*みんなは隠すけれど 女がこの世にいるのはそのためだとあたし思うのよそうでなければ神さまがあたしたちを男にとってこんなに魅りょく的におつくりになるはずないじゃない
<ジョイス・ユリシーズ>
*決めたことだからね と沢村貞子はよく言った。彼女にとって、自分の心張棒を手放さないための知恵ではなかったか。つまり、逡巡がもたらす苦しみや悪足掻きを遠ざけ、深く生きたいと願うときのよすが。いったん決めてしまえば、ほかの選択は脳裏に浮かべなくてすむ。
<平松洋子・野蛮な読書>
*宗教の本質 と意識との中には、一般に人間の本質と人間が世界と自己とについてもって居る意識との中に横はって居るもの以外は何もない。神は人間の鏡である。
<フォイエルバッハ・キリスト教の本質>
*29年の大暴落 はそれに先行した投機ブームの必然的な帰結であった。当面の株価上昇に対する投資家の信頼感は、早晩、弱まる運命にあった。問題は、そのタイミングがいつになるかということだけだったのである。その時が来れば、売りに走る人々が出てきて、株価の上昇そのものに歯止めがかかることになる。相場は下落基調に転じ、売り逃げラッシュがが発生する。過去における投機の狂宴は、すべてこうして終焉を迎えた。1929年においても同様であった。今後においても、またしかりであるはずだ。
<ガルブレイス・大恐慌>
*カエサル はマケドニアへ渡り、ほぼ4か月間ポンペイユスを包囲した。最後にパルサロスの会戦で粉砕し(前48年)、アレクサンドリアへ落ちのびていくポンペイユスを追跡し、殺害されるのを見届けると、今度はプレトマイオス王が陥穽をしかけたことに気づき、一戦を交えた。悪戦苦闘の末、戦いに勝つと(前47年)、エジプト王国をクレオパトラと彼女の弟に譲る。属州とするのを恐れたのだ。いつか気性の激しい総督が手に入れると、ここが政変の火種になりかねないと考えて。 <スエトニウス・ローマ皇帝伝>
*名誉革命 トマス・ホップスは、人間は生まれつき邪で残忍な生物だから、絶対的な力をもった君主に無制限の権力を付与することによってのみ文明社会が作り出される、と論じた。ジョン・ロックはこれとは逆に、契約は公衆と統治者の間に結ばれるものだから、もし統治者がある特定の限界を踏み越えれば、民衆は彼の権利侵害に抗議して反乱をおこしてもかまわない、と考えた。1688年の名誉革命は、君主を王座から追い出して、旧式な神の摂理の観念にしがみつくイギリス人たちを憤慨させた事件だが、ロックは以上のような考え方から、名誉革命を擁護することができた。 <マクニール・世界史>
*社会主義 私たちがすこしでも左翼がかったことをいうと、シボシュ氏は、低い声で懇願するように言った。きみたち、ソ連の支配下で生きたことのない人間は、自由の尊さがまったくわかっていない。冗談にも、社会主義がいいなんて、いわないでおくれ。 <須賀敦子・コルシア書店の仲間たち>
*笑の低劣化 フジテレビは80年ごろから漫才ブームで伸び始めたが、日本人の笑いを低劣化させたといえるだろう。番組に大阪の笑いを注入したからである。
<小林信彦・アイドル女優に乾杯!>
<吉川洋・人口と日本経済>
*大和は国のまほろば たたなずく青垣 山こもれる 大和しうるはし
*見渡す限り、国の中にかまどの煙の立つのが見えない。これは国に住む者がすべて貧しいからであろう。これから三年の間は、人民の租税や賦役をすべて免除することにしよう。 <古事記>
*みんなは隠すけれど 女がこの世にいるのはそのためだとあたし思うのよそうでなければ神さまがあたしたちを男にとってこんなに魅りょく的におつくりになるはずないじゃない
<ジョイス・ユリシーズ>
*決めたことだからね と沢村貞子はよく言った。彼女にとって、自分の心張棒を手放さないための知恵ではなかったか。つまり、逡巡がもたらす苦しみや悪足掻きを遠ざけ、深く生きたいと願うときのよすが。いったん決めてしまえば、ほかの選択は脳裏に浮かべなくてすむ。
<平松洋子・野蛮な読書>
*宗教の本質 と意識との中には、一般に人間の本質と人間が世界と自己とについてもって居る意識との中に横はって居るもの以外は何もない。神は人間の鏡である。
<フォイエルバッハ・キリスト教の本質>
*29年の大暴落 はそれに先行した投機ブームの必然的な帰結であった。当面の株価上昇に対する投資家の信頼感は、早晩、弱まる運命にあった。問題は、そのタイミングがいつになるかということだけだったのである。その時が来れば、売りに走る人々が出てきて、株価の上昇そのものに歯止めがかかることになる。相場は下落基調に転じ、売り逃げラッシュがが発生する。過去における投機の狂宴は、すべてこうして終焉を迎えた。1929年においても同様であった。今後においても、またしかりであるはずだ。
<ガルブレイス・大恐慌>
*カエサル はマケドニアへ渡り、ほぼ4か月間ポンペイユスを包囲した。最後にパルサロスの会戦で粉砕し(前48年)、アレクサンドリアへ落ちのびていくポンペイユスを追跡し、殺害されるのを見届けると、今度はプレトマイオス王が陥穽をしかけたことに気づき、一戦を交えた。悪戦苦闘の末、戦いに勝つと(前47年)、エジプト王国をクレオパトラと彼女の弟に譲る。属州とするのを恐れたのだ。いつか気性の激しい総督が手に入れると、ここが政変の火種になりかねないと考えて。 <スエトニウス・ローマ皇帝伝>
*名誉革命 トマス・ホップスは、人間は生まれつき邪で残忍な生物だから、絶対的な力をもった君主に無制限の権力を付与することによってのみ文明社会が作り出される、と論じた。ジョン・ロックはこれとは逆に、契約は公衆と統治者の間に結ばれるものだから、もし統治者がある特定の限界を踏み越えれば、民衆は彼の権利侵害に抗議して反乱をおこしてもかまわない、と考えた。1688年の名誉革命は、君主を王座から追い出して、旧式な神の摂理の観念にしがみつくイギリス人たちを憤慨させた事件だが、ロックは以上のような考え方から、名誉革命を擁護することができた。 <マクニール・世界史>
*社会主義 私たちがすこしでも左翼がかったことをいうと、シボシュ氏は、低い声で懇願するように言った。きみたち、ソ連の支配下で生きたことのない人間は、自由の尊さがまったくわかっていない。冗談にも、社会主義がいいなんて、いわないでおくれ。 <須賀敦子・コルシア書店の仲間たち>
*笑の低劣化 フジテレビは80年ごろから漫才ブームで伸び始めたが、日本人の笑いを低劣化させたといえるだろう。番組に大阪の笑いを注入したからである。
<小林信彦・アイドル女優に乾杯!>
*貴族と騎士 だけが人民で、他はすべて問題外の平民だった。職人、小店主、事務員、解放奴隷等は、この状態にもとより満足ではない。だから共和ローマの最初の百年の歴史は、人民の概念を押し拡げようとする人びとと、それを血統と富の限界に止めておこうとする人びととの間の、社会闘争の歴史でもある。 <ローマの歴史・モンタネッリ>
*若菜 は源氏41歳から47歳の年末までですが、47歳はいまならどのくらいでしょうか(丸谷)。40で老人ですから、明らかに晩年ですね(大野)。57よりはむしろ67に近いくらいでしょうね(丸)。
「宮は何心もなくまだ大殿籠もれり」とあるあたりが対象の妙というのか。ああ、ここは実事ありですね。それで源氏だけ翌朝、先に起きているんだ(大野)。すると、私の考えた実事ありはその前ですから、寝む前にありで、もういっぺんあり。そう考えると、ますます面白い(丸谷)。 <大野晋・丸谷才一 光る源氏の物語>
*枝雀対談志 家元(談志)が「落語ってものは、やるたんびにちがわないといけないんだ」とおっしゃったので、「ああ、枝雀師匠も「「噺はなぞったらいかん」」ていつも言うてはります」と答えると家元、グッと詰まって「小米の時はちゃんとしてたのに、なんで枝雀になってあんなになっちゃんたんだ」と批判。お二人の性格は対照的だった。「家元(談志)は悪いことがおこったら全部ひとのせいにしはるでしょう。枝雀さんは全部自分が悪いと思わはります」
<小佐田定雄・枝雀らくごの舞台裏>
*女嫌いの弁 女性は抽象的精神とは無縁の徒である。音楽と建築は女の手によってろくなものはできない。構成力の欠如、感受性の過剰、瑣末主義、無意味な具体性、低次の現実主義、これらはみな女性的欠陥であり、芸術において女性的様式は問題なく「悪い」様式である。 <三島由紀夫全集28>
(そういえば料理人も女はいない。おふくろの味自慢の店、我が家の専属料理人は別にして)
*絶対的なるもの を信じている人には異邦人を感じてしまう。一神教というのは砂漠ないし荒地から生まれた。アラビアの大地で寝ころがっていると、上に天しかない。無数の星があって、その運行を統一している絶対者がいるという絶対的感覚が、体でわかってしまう。日本のような山あり川あり谷ありの錯綜した地理風土では、この山に神がいて、あの谷川にも神がいて、どうしても一神教的思考が成立しにくい。 <司馬遼太郎対話選集7>
*絶世の美女 といわれる小野小町がどんな美しさであったかは、いまもってわからない。紫式部も清少納言も美貌だったというが、これもナゾに包まれている。文芸評論家の亀井勝一郎氏は「美人とは一種の思想である」といっている。
例のクレオパトラが美人であった点には、異説もある。伝記作家ブルタークは「彼女はそんなにきれいではなかった。ただ口のきき方が、楽器を鳴らすようにたいへん甘美なので、ローマの英雄たちが参ってしまった」と書いている。 <深代惇郎の天声人語>
*日記とは 不安を抱いた個人が自己と対話し、自己確認をするためのもの。日記をつけるのは麻薬吸引のようなもので、しないですめば、しない方がいい。多くの人が日記帳を買い、新年の三日か五日でやめてしまうのは健全な証拠であります。
<時代観察者の冒険・小林信彦>
*本棚 を他人にのぞかれるのがイヤだ。まるで自分のアタマのなかを、覗かれているような気がするからだ。その逆に他人の本棚を除くのは好きだ。にんげんのアタマのなかは、99パーセントまで他人のことばとアイデアの借用で成り立っている。オリジナルは残りのわずかな部分だけ。それなら何を読んできたかは、アタマのなかの歴史の軌跡を示すことになる。
<ひとりの午後に・上野千鶴子>
*小説家 になろうという人にとって重要なのは、とりあえず本をたくさん読むことでしょう。
*明確な結論を短時間のうちに出す人がいますが、こういう人はあまり小説家に向いていません。どちらかといえば評論家やジャーナリストに向いています。
<職業としての小説家・村上春樹> 2017-5
*若菜 は源氏41歳から47歳の年末までですが、47歳はいまならどのくらいでしょうか(丸谷)。40で老人ですから、明らかに晩年ですね(大野)。57よりはむしろ67に近いくらいでしょうね(丸)。
「宮は何心もなくまだ大殿籠もれり」とあるあたりが対象の妙というのか。ああ、ここは実事ありですね。それで源氏だけ翌朝、先に起きているんだ(大野)。すると、私の考えた実事ありはその前ですから、寝む前にありで、もういっぺんあり。そう考えると、ますます面白い(丸谷)。 <大野晋・丸谷才一 光る源氏の物語>
*枝雀対談志 家元(談志)が「落語ってものは、やるたんびにちがわないといけないんだ」とおっしゃったので、「ああ、枝雀師匠も「「噺はなぞったらいかん」」ていつも言うてはります」と答えると家元、グッと詰まって「小米の時はちゃんとしてたのに、なんで枝雀になってあんなになっちゃんたんだ」と批判。お二人の性格は対照的だった。「家元(談志)は悪いことがおこったら全部ひとのせいにしはるでしょう。枝雀さんは全部自分が悪いと思わはります」
<小佐田定雄・枝雀らくごの舞台裏>
*女嫌いの弁 女性は抽象的精神とは無縁の徒である。音楽と建築は女の手によってろくなものはできない。構成力の欠如、感受性の過剰、瑣末主義、無意味な具体性、低次の現実主義、これらはみな女性的欠陥であり、芸術において女性的様式は問題なく「悪い」様式である。 <三島由紀夫全集28>
(そういえば料理人も女はいない。おふくろの味自慢の店、我が家の専属料理人は別にして)
*絶対的なるもの を信じている人には異邦人を感じてしまう。一神教というのは砂漠ないし荒地から生まれた。アラビアの大地で寝ころがっていると、上に天しかない。無数の星があって、その運行を統一している絶対者がいるという絶対的感覚が、体でわかってしまう。日本のような山あり川あり谷ありの錯綜した地理風土では、この山に神がいて、あの谷川にも神がいて、どうしても一神教的思考が成立しにくい。 <司馬遼太郎対話選集7>
*絶世の美女 といわれる小野小町がどんな美しさであったかは、いまもってわからない。紫式部も清少納言も美貌だったというが、これもナゾに包まれている。文芸評論家の亀井勝一郎氏は「美人とは一種の思想である」といっている。
例のクレオパトラが美人であった点には、異説もある。伝記作家ブルタークは「彼女はそんなにきれいではなかった。ただ口のきき方が、楽器を鳴らすようにたいへん甘美なので、ローマの英雄たちが参ってしまった」と書いている。 <深代惇郎の天声人語>
*日記とは 不安を抱いた個人が自己と対話し、自己確認をするためのもの。日記をつけるのは麻薬吸引のようなもので、しないですめば、しない方がいい。多くの人が日記帳を買い、新年の三日か五日でやめてしまうのは健全な証拠であります。
<時代観察者の冒険・小林信彦>
*本棚 を他人にのぞかれるのがイヤだ。まるで自分のアタマのなかを、覗かれているような気がするからだ。その逆に他人の本棚を除くのは好きだ。にんげんのアタマのなかは、99パーセントまで他人のことばとアイデアの借用で成り立っている。オリジナルは残りのわずかな部分だけ。それなら何を読んできたかは、アタマのなかの歴史の軌跡を示すことになる。
<ひとりの午後に・上野千鶴子>
*小説家 になろうという人にとって重要なのは、とりあえず本をたくさん読むことでしょう。
*明確な結論を短時間のうちに出す人がいますが、こういう人はあまり小説家に向いていません。どちらかといえば評論家やジャーナリストに向いています。
<職業としての小説家・村上春樹> 2017-5
2023年11月29日更新
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