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赤字企業の黒字化への方法 その1

慢性的な赤字企業には何らかの課題を抱えているところが多いようです。この課題を抜本的に解決し、企業体質を変えない限り黒字には転換しません。景気の回復に期待し、一生懸命働いていればいつかは良くなると思い込んでいることが、黒字に転換しない最大の理由なのです。現在の不況は、単なる循環的な不況ではありません。何故なら、リーマンショック以前から日本の中小企業の多くは、人件費の削減で何とか生き延びてきたのが実態だからです。つまり、戦後高度成長の終焉と成熟社会の到来による社会変化との条件適合が多くの企業に求められています。ここ数年の老舗型倒産の多発は、すべての企業にビジネスモデルの転換を求めています。

●なぜ赤字企業になるのか?

その原因は大きく分けて次の5つの経営課題をまず検証する必要があります。

【1】経営体質
【2】財務体質
【3】商品力
【4】販売力
【5】マネジメント力

【1】経営体質
業種・業態によって労働力構成が違ってきます。まずは、労働力構成を根本的に見直す必要があります。

(1)労働集約型企業でパートなど臨時社員の比率が低い。

(2)季節変動の大きい業界で社員の定員数が受注のピーク時にセットされている。
したがって閑散期の仕事量が少なく、年間を通じた生産性は低いものとなる。この労働分配率が月変動なく一定の水準で動くシフトづくりが必要である。

(3)平均年齢の高い企業で年功序列型賃金体系をとっている。この場合は労働分配率が高くなる。

業種等で違いがありますが、総じて労働分配率は、50%以下が理想であり、60%を超えると赤字体質となると言われています。



【2】財務体質

(1)借金経営
借入金が限度を超えており、高い金利負担のために利益が出ない状態。
金利水準が歴史的低水準の今日であっても、2~3.5%程度であり、営業利益率と比較して、月商の3月分程度が理想であり、売上と等しい借入金や高利の街金では存続は困難である。

(2)貧血体質
流動比率(流動資産/流動負債)が100%以下で、特に80%を切っている場合は資金繰りが苦しい。結果、資金繰りのために、売上を伸ばすための安売りや長いサイト手形を切るために、結果として高額な仕入価格、売上総利益の減少となり、慢性赤字の原因となる。

財務体質の悪い企業は資金繰りのために無理をするので、ますます悪循環に陥っていきます。小手先の対策ではなく抜本的な大手術を施さないと倒産の可能性があります。

【3】商品力~商品力の衰弱化~

商品力が弱い場合、粗利益率が低くなるので、売上は伸びても利益が伴ってきません。商品力が弱い要因には次のものがあります。
※商品力とは、業種によって違いますが、設備・デザイン・品揃え・メニュー・価格・人材・技術スキル等多様です。

(1)商品のリニューアルが不十分なためマンネリ化となっている。
(2)商品のライフサイクルが衰退期にさしかかっている。
(3)品質が悪く低グレードに位置づけされている。
(4)開発体制の見直しやマーケティングの強化も必要であるが、それ以前に経営の感覚・センスの問題である。

ここでは、自社が何業であり、顧客のニーズ、同業他社の動向、自社の商品力の強み・弱みの分析、市場への適合能力が問われます。 

【4】販売力

多少、商品力が劣っていても販売力があれば商品は売れます。逆に、商品力があっても販売力がなければ商品は売れません。販売力とは次の要因の総合力を言います。

(1)営業の質と量
(2)営業管理のノウハウ(受注先行管理、顧客管理など)
(3)販売促進のための諸制度
(4)販売ツールおよび販売に必要なマニュアル類の充実度
(5)各種営業チャンネルの開拓

【5】マネジメント力
中小企業の少ない経営資源、カネ・モノ・人・情報を総合的に管理・活用しているでしょうか。選択と集中が適正かが問われます。持てる経営資源を有効に活用するマネジメント力が備わっていますか?ここでは、計画と実績、実績 + 計画 = 予想決算数値を月次定例で検討する経営会議による選択と集中の意思決定と全社員への役員一丸となった意思の実行体制づくりが求められます。

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