公認会計士・税理士山本智広事務所
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売掛金の中身を確認してますか?
先日、お客さんとの会話の中で、「自分の会社の経営分析をしてみたけど、どうも実感とあわないんですよね。」と言われました。その会社は近年さほど利益を計上することはできていませんが、大赤字を出すということもなく、先代からの蓄積もある会社です。 さらに、「流動比率なんか去年よりも良くなってるんだけど、この不景気でやっぱり資金的には少し窮屈になってきているだ。」とぼやきます。
流動比率は流動資産/流動負債で計算し、支払資金の余裕を示す指標としてよく使われます。流動資産は、現金預金や1年以内に資金化される受取手形や売掛金、たな卸資産やその他の債権の合計、流動負債は1年以内に支払わなくてはいけない負債の合計額を示しているので、流動比率が100%を超えていれば、1年以内に支払わなければならない金額よりも、1年以内に資金化できる金額のほうが大きいので資金的にはゆとりがありますし、逆に100%を下回っていれば通常の営業サイクルでの入金だけでは資金不足になり、銀行などからの円滑な資金供給が必要な状態といえます。
その会社の場合は、以前から流動比率が大きく100%を超えていて、あまり資金繰りに苦労することはありませんでした。ただ、直近の決算では赤字をだしていて、業績が厳しいのは分かっていましたが、流動比率は逆にかなり良くなってきて、資金繰りが窮屈・・・と考えて、思い出しました。
しばらく前に大口の取引先が売掛金をなかなか払ってくれなくなり、少しずつ分割でしか回収できないという話しを経理の担当者から聞いていたのです。そうすると売掛金にはなかなか回収できない債権がずっと残っていて、売上が減っているわりには売掛金は減りません。一方、流動負債の買掛金などは取引量が減少している結果、当然大きく減っています。その結果、流動比率の計算式の分子である流動資産は前年と大差ない数字になり、分母である流動比率は大きく減っているので、計算結果である流動比率は前年よりも良くなります。でも、現実には、売掛金はなかなか回収できないのに、買掛金は去年より少ないとはいえ、決められた期日できちんと払っていかねばならないので、資金繰りが窮屈という社長の実感とあってきます。
そこで、「売掛金の中のなかなか回収できない債権は実際には長期性の資産と同じ状態にあるので、流動資産から差引いてから、流動比率を計算したのが貴社の実態と考えるべきではないか。」と言ってみたら、「そりゃそうだよね」と納得されていました。
売掛金だけでなく、たな卸資産の中に全然売れる見込がない在庫の金額が含まれていても流動比率を出すと同じことが起きます。こうした貸借対照表に計上されている資産ひとつひとつの中身を確認して、延滞している売掛金だったらどうやって回収するか、不良在庫ならどう処分するかなど検討して方針を決めていくのも大切な業務ですし、決算書を使って、経営分析をする際には常に考慮しておかなくてはならない事項です。
流動比率は流動資産/流動負債で計算し、支払資金の余裕を示す指標としてよく使われます。流動資産は、現金預金や1年以内に資金化される受取手形や売掛金、たな卸資産やその他の債権の合計、流動負債は1年以内に支払わなくてはいけない負債の合計額を示しているので、流動比率が100%を超えていれば、1年以内に支払わなければならない金額よりも、1年以内に資金化できる金額のほうが大きいので資金的にはゆとりがありますし、逆に100%を下回っていれば通常の営業サイクルでの入金だけでは資金不足になり、銀行などからの円滑な資金供給が必要な状態といえます。
その会社の場合は、以前から流動比率が大きく100%を超えていて、あまり資金繰りに苦労することはありませんでした。ただ、直近の決算では赤字をだしていて、業績が厳しいのは分かっていましたが、流動比率は逆にかなり良くなってきて、資金繰りが窮屈・・・と考えて、思い出しました。
しばらく前に大口の取引先が売掛金をなかなか払ってくれなくなり、少しずつ分割でしか回収できないという話しを経理の担当者から聞いていたのです。そうすると売掛金にはなかなか回収できない債権がずっと残っていて、売上が減っているわりには売掛金は減りません。一方、流動負債の買掛金などは取引量が減少している結果、当然大きく減っています。その結果、流動比率の計算式の分子である流動資産は前年と大差ない数字になり、分母である流動比率は大きく減っているので、計算結果である流動比率は前年よりも良くなります。でも、現実には、売掛金はなかなか回収できないのに、買掛金は去年より少ないとはいえ、決められた期日できちんと払っていかねばならないので、資金繰りが窮屈という社長の実感とあってきます。
そこで、「売掛金の中のなかなか回収できない債権は実際には長期性の資産と同じ状態にあるので、流動資産から差引いてから、流動比率を計算したのが貴社の実態と考えるべきではないか。」と言ってみたら、「そりゃそうだよね」と納得されていました。
売掛金だけでなく、たな卸資産の中に全然売れる見込がない在庫の金額が含まれていても流動比率を出すと同じことが起きます。こうした貸借対照表に計上されている資産ひとつひとつの中身を確認して、延滞している売掛金だったらどうやって回収するか、不良在庫ならどう処分するかなど検討して方針を決めていくのも大切な業務ですし、決算書を使って、経営分析をする際には常に考慮しておかなくてはならない事項です。
2011年9月16日更新
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