国税庁は、同庁ホームページにおいて公表している令和6事務年度(令和6年7月から令和7年6月までの1年間)における相続税の調査等の状況において、調査事例も挙げております。
それによりますと、相続開始前に引き出した多額の現金を相続人宅で保管し、申告から除外した事例が挙がっております。
被相続人名義の預金口座から、相続開始前に多額の現金が引き出されていたことから、その使途を解明するため、調査に着手しました。
被相続人宅において臨宅調査を実施し、相続人らに引き出した現金の使途について聴取したところ、「寄付しており、残っていない」と回答する一方で、寄付先については答えないなど、曖昧な回答を繰り返しましたため、被相続人宅に続き、相続人宅の現況調査を実施したところ、相続人宅の金庫内から多額の現金が発見されました。
発見した現金について説明を求めたところ、相続人らは、被相続人の生前、被相続人と共に現金を引き出した上、相続人の自宅金庫内で保管しており、申告が必要であることを認識しながら、相続人の自宅で保管しておけば税務署に容易に把握されることはないだろうと考えておりました。
税理士にもその存在を隠ぺいし、当該現金を除外して申告したことを認めた結果、増差課税価格は約2億5千万円、追徴税額は約1億2千万円(重加算税有)に上りました。
また、相続開始前に被相続人の口座残高が相続税の基礎控除以下になるよう、相続人及びその家族名義の口座へ預金の移動を行い、相続人の納税を免れようとした事例も挙がっております。
臨宅調査において、相続人に対し、被相続人名義の預金口座から出金した預金の使い道や、相続人及びその家族の預金の原資等について聴取したが、相続人は曖昧な回答に終始しましたため、現況調査に移行し、相続人及びその家族の取引金融機関や残高等が記載されたノートを発見したので、そのノートを基に再度相続人に説明を求めたところ、相続人は、相続税の納税を免れる目的で、被相続人の財産を相続税の基礎控除以下になるよう預金の移動を行い、税務署からの照会文書には財産は基礎控除以下であると虚偽の回答をして、申告を行っていなかったことを認めました。
その結果、増差課税価格は約7億2千万円、追徴税額は約4億3千万円(重加算税有)に上りました。
(注意)
上記の記載内容は、令和8年5月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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