増え続ける空き家への対策は長らく社会全体の課題となっています。国土交通省のデータによると、使用目的のない空き家は2003年では212万戸でしたが2023年は386万戸と、約20年間でおよそ2倍に増えました。そして、今後もさらなる増加が見込まれています。
空き家は倒壊など、安全面の問題のほか、庭木のはみ出し、悪臭の発生、害虫・ネズミの棲みつき、不審者の侵入など、衛生面や防犯面でさまざまなトラブルが生じる可能性があります。これまで、空き家への対策は法改正を中心に実施されてきました。ただ、法改正だけでは限界があります。その中、最近では民間活用へと変化の兆しがみられるようになりました。
ところで、現存する空き家のうち約6割は相続によって取得されたものなのです。空き家が増加する一因には、相続人がすでに別の場所で自宅を所有し暮らしている場合、実家を管理することが物理的に困難で、放置してしまうことがあります。
それでも、所有者が何とか空き家を活用しようと対処を試みても、遺品整理一つをとっても所有者だけでは手に負えないこともあります。結局、どのように進めればよいのかわからず放置することになります。
こうした問題に対して、民間の取組みも少しずつ増えてきました。たとえば、埼玉の銀行では、空き家の有効活用を促進するためのサービスを開始しています。空き家を活用するために必要な、遺品整理や不動産、リフォーム会社など、16の専門企業と提携し、所有者の状況に応じて適した企業を紹介しています。空き家の遺品整理やリノベーション、借り手や買い手のマッチングなどを一気通貫で解決する枠組みが構築されることで、所有者の困りごとの解決や負担軽減につながっています。さらに、サービスでは自治体と連携協定を結び、セミナーや相談・提案会を開催して深刻化する空き家問題の解決につなげています。
増え続ける空き家への対策は長らく社会全体の課題となっています。従来、法改正を中心に対策がなされてきました。国や行政が講じた施策には、古くは、2014年、空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)の制定があります。2023年12月では、空き家法の改正があり、これにより空き家を放置させない仕組みづくりが構築されました。具体的には、倒壊の危険性のほか、周囲に著しく悪影響を及ぼす空き家に対して、市区町村は「特定空家」に指定し、指導や勧告など所有者に改善を求めることが可能になりました。同時に、放置される空き家を強制的に取り壊すといった対応も可能になりました。税制面でも、固定資産税などの減額が受けられなくなるなどの施策が講じられてきました。
2024年には相続登記が義務化されました。新しい所有者は3年以内に法務局に対して、不動産登記の申請をしなければならなくなりました。所有者不明の土地・建物を減らすことで、空き家の管理・活用を進めやすくする基盤が整備されました。
最近では、民間の空き家活用も広がりつつあります。一例を挙げると、新型コロナウイルス禍が明け、観光は回復の兆しを見せ、観光客数はコロナ禍前と同水準に戻る地域が増えています。その中、空き家などの古民家を宿泊施設として改修する古民家ホテルが注目を集めています。ある企業では、所有者に改修プランを提案し、自社が運営を受託する事業を行っています。この事業は、自社で一から土地や物件を押さえるより効率的に展開できる利点があります。古民家の活用は宿泊施設のほか、カフェやレストランなど、様々な広がりをみせ、空き家減少に貢献しそうだと期待が寄せられています。
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
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