発行日:2026年08月20日
2026年9月の税務
9月10日
●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
9月30日
●7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
AIで業績は変わるか?データが語る事実
◆増収企業ほどAIを使っている
独立行政法人中小企業基盤整備機構が令和8年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、直近3年間で増収傾向にある企業ほどAIを積極的に活用していることが明らかになっています。増収企業がAI導入目的として「人手不足対応」を挙げた割合は35.4%で、減収傾向企業の23.6%を約12ポイント上回りました。
業績の良い会社がAIを使っているのか、AIを使っているから業績が良くなったのかは一概には言えませんが、少なくとも「AIは成長している企業が取り組んでいるもの」という実態は確かです。
◆経営部門で効果が突出した理由
部門別の導入効果をみると、経営・企画部門でのAI活用が特に高い評価を受けています。
品質向上・付加価値創出・業務効率化の3項目すべてで8割以上が効果ありと回答しており、これはIT導入の同部門と比べても一段高い水準です。経営者自身が生成AIを使って市場分析・資料作成・アイデア出しに活用するケースが増えており、「まず経営者自身が使ってみる」ことが最も効果的な入り口といえます。
◆付加価値創出はITの3倍
AI活用で特に注目すべきは「付加価値創出」の効果です。AIで付加価値創出に効果ありと答えた企業は22.3%で、ITの7.4%の約3倍にのぼります。
業務の効率化にとどまらず、新しい価値を生み出す道具としてAIが機能し始めていることを示す数字です。情報通信業(38.9%)や不動産業(33.3%)では特にこの傾向が顕著で、業種によってはAIが競争力そのものになりつつあります。
◆AIを使うと何が変わるのか
AI導入企業の83.2%が業務効率化に効果を実感しており、「時間が生まれた」「品質が上がった」という変化が多くの現場で起きています。
コスト削減効果は1〜3割が中心で劇的な削減は難しいものの、浮いた時間を付加価値の高い業務に充てられることが最大のメリットです。まずは議事録作成・文書作成・情報収集といった日常業務から試してみてください。小さな成功体験が社内への普及を後押しします。
今年の税制改正 公的年金等控除額の控除制限
◆高齢者の就労意欲促進策として
在職老齢年金制度改正で令和8年4月から、年金減額基準額(賃金と厚生年金の月合計)が65万円(旧51万円)に引き上げられました。趣旨は高齢者就労促進です。
たとえば、給与月収80万円、年金月額20万円だとしたら、改正後は、(80+20万円-65万円)÷2=17.5万円になり、これが20万円の年金月額からのカット額になります。前は、全額カットでした。なお、カット額は、事後繰延べはなく、永久消滅です。
◆給与控除とのアンバランス緩和が趣旨
その一方で、今年の税制改正で、給与と公的年金との両方の収入がある者については、その年の給与所得控除額と公的年金等控除額との合計額に、上限が設けられることになりました。上限額は280万円で、上限控除額の減額は、公的年金等控除額から行われます。(令和9年から施行)
たとえば、給与月収80万円、年金月額20万円だとしたら、給与所得控除(195万円)と公的年金等控除(110万円)の合計で305万円の控除を受けることになりますが、同じ1,200万円の収入のすべてが給与だけの場合の控除額は195万円のみです。ここに不合理があるとの趣旨です。
◆年金カットされたら上限控除にならない
ところで、上限の280万円前後の層とは、年金を受取りながら、しっかり給与を得ている層ですが、その人たちは、在職老齢年金制度により年金収入が相当カットされている人たちです。カットされているので、上限制限の対象になる年金控除額などなくなっているはずです。
それでは、今年の改正は、在職老齢年金での年金カットをうまく潜り抜けている人が対象なのでしょうか。それもあるでしょうが、それだけではないと思われます。
◆大企業や公務員系統の受給者が対象
280万円控除制限のターゲットは、在職老齢年金制度で年金カットの対象になっている2階建て部分の厚生年金ではなく、その対象になっていない企業年金(3階建て)、私的年金(4階建て)だと思われます。
在職老齢年金の支給カットは、2階建てまでしかない、中小企業関係受給者に大きな打撃を与えていましたが、3階建て4階建ての年金のある大企業や公務員系統の受給者には、その影響が相対的でした。その2階建て以外の年金にも標的を向けだした、というのが今年の改正の内容です。