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《コラム》-相続空き家の特例-建物解体費の譲渡費用該当性
土地や建物を売却した場合、譲渡所得金額の計算上、譲渡費用は取得費とあわせて資産の譲渡収入金額から控除できます。
◆「直接的必要性」と「客観的必要性」
譲渡費用は、「資産の譲渡に要した費用」とされます。国税庁タックスアンサーでは、譲渡費用を「土地や建物を売るために直接かかった費用」とし、直接的必要性が強調されています。
一方、所得税基本通達では、譲渡費用の例示として「土地(借地権を含む)を譲渡するため、その土地の上にある建物等の取壊しに要した費用」としており、直接的必要性は記載していません。これは、平成18年最高裁判決を契機に発遣された譲渡費用の範囲についての個別通達、土地改良区内の農地を転用目的で譲渡した際、土地改良区に支払われた農地転用決済金等を譲渡費用とする措置を受けたものと思われます。
この裁判では、譲渡費用を従来の「直接的必要性」要件にとらわれず、「現実に行われた資産の譲渡を前提として客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかにより判断すべきもの」とし、新たに「客観的必要性」要件が判断基準として示されました。この「客観的必要性」の要件は、それぞれの譲渡における個別事情に照らして客観的に判断されることになります。
◆相続空き家の特例での譲渡費用該当性
相続空き家の特例で建物を耐震改修又は取り壊す目的は、耐震基準を満たしていない被相続人の空き家の発生を抑制する国の政策実現にあります。空き家を取り壊す場合は、更地で売却するか、あるいは建物と土地を先に売却したうえで、売却した年の翌年2月15日までに建物を取り壊すことが税法上、必要となりますので、解体工事費には土地売却のための客観的必要性があるものと思われます。
また、特例の適用には相続開始時から取壊し又は売却までの間、建物、土地を賃貸用、事業用、居住用に供しないこと、建物解体後は土地の売却まで建物や構築物の敷地の用に供しないことなど利用制限が課されますので解体工事費の直接的必要性は高まります。さらに、特例の適用期限は相続開始から3年経過する日の属する年の12月31日までですが、建物解体工事の後、媒介契約、売買契約、引渡しに至るまでの期間を速やかに進行させることにより、直接的必要性は説明しやすくなるものと思われます。
2026年4月10日更新
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