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女32歳の職探し（1）
（月刊リサイクルニュース1996年9月号掲載）

「東京に転勤？」（当時32歳)、中部リサイクルで制作・イラストの仕事をしていた私。一緒に行くつもりなんてぜ～んぜんなかったのに、会社から単身赴任を認めてもらえず、夫とセットで引っ越すことに・・・。

引っ越す前に

「決まったらしゃーないわ。東京で仕事（もちろん自分の）見つけなくっちゃ」とまずしたのが、子どもの学童保育所（以下学童）探し（おいおい、引っ越しって他にすることあるんじゃないの？）。
女性相談センターなどに、かたっぱしから電話して、どこなら学童があるか、時間は何時までか、など調べたの。ちなみに東京都は学区ごとにあり（1年から5年）、時間は5時まで。横浜市はまだ、3分の1の学区にしか学童がない。川崎市は、1年から3年、時間は5時30分まで（川崎市も全学区にはなかった）。
ところでさ、学童って大体5時とか5時30分に終わるじゃない？親と一緒に住んでるとか、迎えに行ってもらえる人がいるならともかく、私みたいに近くにだ～れも知り合いのおらんやつって、いったいどうしたらいいの？正社員で働けんじゃん。残業できんじゃんねぇ・・・。
さて、学童探しを始めると同時に職探しも始めた私（だから～他にすることあるんじゃ・・・）。東京の就職情報誌を何冊か送ってもらい、自分のやりたい職種をチェックし選びに選んで電話。
「とら○○」の求人広告を見てお電話したのですが・・・」「は？いつのですか？」
そっかー、2週間も前の情報誌見て電話したって、もう決まっちゃってるのね（久しぶりの就職活動で要領が分かっちゃいない。最初から失敗してしまった）。

学童に入るまで

結局、川崎に引っ越ししてから、「広告制作、年齢30歳まで、経験者」の求人広告に電話し面接・・・、運よく採用された。
「わ～い○日から出勤だ～い」と喜んだのもつかの間。学童に申し込みに行ったら、手続きに2週間もかかるんだってー！。
仕事先が決まらんと申し込み用紙もらえんわ、仕事先から申請用紙に「はんこ」もらわんと手続きできんわ（夫の勤務先の「はんこ」もいる）、提出してからも市から許可されないと入れんわ、定員がいっぱいだと入れんわ・・・、ほんとにもう、その間子どもをどないせいっつうの？まったく。
私は、自分の母を豊川から無理やり呼び寄せ乗り切ったけど、困るよね実際・・・。

泣く泣く辞める

通勤ラッシュにひぃひぃ言いながら、片道1時間15分かけて通ってたA広告代理店。勤務時間は学童の迎えの時間の都合で10時から16時のアルバイト。でも制作は私一人で3人の営業さんがとってきたものを全部作る。毎日のように来る入稿（締切日）。昼食も取れず、パンかじりながらデザインを考え、家に持ち帰って仕事。それでも仕事が4時に終わらず、学童の迎えに間に合わないのよー。学童に「すみません、お迎え遅れてしまいます」と電話しておいても、5時30分過ぎると子どもは外へ追い出されちゃうの。あわてて迎えにいくと娘が学童の門の外で一人ぽつんと待ってる…。それで泣く泣く辞めた。
さぁ、会社辞めたら学童もやめさせられる（いったん学童を出たら、入るのはまた大変）。とりあえず近くで探してパート勤めしたのが前回と前々回で紹介したT株式会社。ここに勤めている間に、自分のやりたい仕事を就職情報誌で探した。何件も応募の電話をしたんだけど、何がひっかかるって「年」なんだよ～。

「いくつですか？」

担当者が電話に出て最初は乗り気。「イラストかけるんですか、それはいいね～」って。
で「失礼（別に失礼じゃないけど）ですが年齢は？」「32歳です」「・・・」それでおしまい。
まぁねぇ、「25歳まで」とか「28歳位まで」のところに電話してる私も私なんだけど、どの会社も大体年齢制限があってさ・・・、しかも「35歳まで」「40歳まで」なんて求人広告、ほとんどないっしょ？年齢で5～6件断られたかなぁ～。それでも、編集で募集している会社に「イラストレーターとして使ってください」って変なこと書いて履歴書送ったりして、私はめげなかった。
そんな時、たまたま本屋で地元の雑誌（タウン誌）を見つけ「あ、私この雑誌作りたい！」って思い、求人募集もしていないその会社に電話。「使ってください」って勝手に履歴書と作品（イラスト）を送りつけた（なんてずうずうしいやつ）。そこが今もお仕事しているM株式会社なのだ（3月号で紹介した会社）。