東京都港区 虎ノ門・新橋・内幸町
お気軽にお問い合わせください。
受付時間:

9:30~17:30(平日)

事務所だより

◆事務所だより 1月号◆

2割特例の適用に「不適用届出書」提出が必要な場合がある
-----------------------------------------------------------

◆令和5年10月31日付国税庁の周知依頼
 インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった事業者には「2割特例」という3年間の納税の経過措置が設けられています。
 これに関して、国税庁から、「インボイス発行事業者の登録申請書のほか、インボイス制度開始の日(令和5年10月1日)を含む課税期間に係る『消費税課税事業者選択届出書』を提出している場合には、課税時間の末日までに『課税事業者選択不適用届出書』を提出しないと2割特例が適用されなくなるから要注意!!」ということを周知してもらうよう日本税理士会連合会宛に依頼がありました。

◆何らかの理由で選択していたら再度検討を
 インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になる場合には、インボイス発行事業者の登録申請書を提出すれば、インボイス制度開始の日(令和5年10月1日)からインボイス発行事業者となり、同日から課税事業者となっています。同日からの適用であれば、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は不要でした。
 しかしながら、何らかの理由(=たとえば、令和5年10月1日より前に設備投資等がありその消費税還付目的があったなど)で、「消費税課税事業者選択届出書」を提出していた場合には、国税庁からの周知にある追加手続きをすべきか否か、再度、納税額のシミュレーションをし直して、対応を確認する必要があります。
 予定通り設備投資等がなされていれば当初の選択通りでよいかもしれませんが、経済事情の悪化等で設備投資が先延ばしされていた場合などには、見積納税額の計算のし直しが必要となるでしょう。

◆ギリギリまで検討できるが早めに対応を
 通常、消費税の課税選択等の適用申請は、適用を希望する「課税期間の初日の前日までに」とされています。
 しかしながら、経過措置関連では、「課税期間の末日までに」という措置が取られており、今回の「2割特例適用のための『課税事業者選択不適用届出書』の提出も課税期間の末日までに」とされています。
 どちらが得なのか、損をしないのかのシミュレーションをする時間は課税時間の末日までありますが、通信環境システムの不具合などで遅れることのないように、早めに対応した方が良いでしょう。




国境を越えた役務提供に係る消費課税
-----------------------------------------------------------

 海外の事業者からインターネットを介して音楽やゲーム等の配信サービスを受けた場合には、「国境を越えた電気通信利用役務の提供」として消費税が課されます。

◆内外判定基準の見直し
 消費税は、国内取引に課され、国外取引には課されません。国外から受ける電気通信利用役務の内外判定は、平成27年10月より役務の提供を受ける者の住所等で行うことになりました。これは電気通信利用役務について提供者が国内事業者、国外事業者のいずれも課税の取扱いを同じにして、事業者間の公平性を確保したものです。

◆事業者向けと消費者向けに区分
 日本に拠点を持たない国外事業者に適正に課税することは困難を伴います。そこで国外からの電気通信利用役務の提供を事業者向けと消費者向けに区分し、事業者向け電気通信利用役務はWEBサイトを利用させるサービスなど役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものと定義して、国内事業者に申告・納税義務を持たせました。経過措置として原則課税で課税売上割合が95%未満の場合に適用されます(リバースチャージ)。なお、事業者向け電気通信利用役務の提供は、個別契約で役務提供を受ける者が通常事業者に限られる場合も該当します。消費者向け電気通信利用役務の提供は、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のものと定義して、国外事業者に申告・納税義務を持たせました。事業者、消費者の双方がサービスを受ける場合も消費者向け電気通信利用役務の提供に含まれます。

◆消費者向けは、仕入税額控除に制限あり
 消費者向け電気通信利用役務の提供については、国外事業者に課税漏れが生じることから当分の間、仕入税額控除の適用対象外とされています。ただし、国は登録国外事業者制度を設けて登録を受けた事業者が発行する請求書と帳簿を保存する事業者には仕入税額控除を認めています。

◆登録国外事業者はインボイス制度に移行
 登録国外事業者制度は、令和5年10月からインボイス制度に移行されました。令和5年9月1日時点の登録国外事業者は登録の取消しを求める旨の届出書の提出がない場合、インボイス発行事業者の登録を受けたものとみなされ、役務提供を受けた事業者は仕入税額控除をすることができます。
 電気通信利用役務の提供を受けたときは、契約内容から誰が申告・納税義務を負うのか、課税関係を確認しましょう。




2024年1月11日更新
お気軽にお問い合わせください。
鵜殿知夫税理士事務所
電話:03-3503-1638
受付時間:

9:30~17:30(平日)