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事務所だより

◆事務所だより 7月号◆

相続税調査は増加傾向 追徴課税額も過去最高水準に
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◆実地調査は9,500件超に増加
 令和6事務年度の相続税に関する実地調査件数は9,512件で、前年度比111.2%と大幅に増加しました。追徴税額も824億円(前年度比112.2%)と増加し、調査1件あたりの追徴額は平均867万円に達しています。調査の対象は、過少申告が疑われる事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告が疑われる事案など、国税当局が入手した資料情報に基づき重点的に選定されています。

◆簡易な接触でも追徴効果
 書面通知や電話・来署依頼による「簡易な接触」も積極的に行われており、21,969件(前年度比117.0%)に達しました。これにより、申告漏れ課税価格は1,123億円、追徴税額は138億円と、いずれも簡易接触が開始された平成28年度以降で最高水準となっています。形式的なやり取りで済むと軽視されがちですが、実態は大きな修正リスクを伴っており、税務署からの文書ひとつが大きな対応義務に発展する可能性があることを認識すべきです。

◆無申告・海外資産は特に要注意
 無申告事案の追徴税額は142億円と、平成21年度の公表開始以来で過去最高を記録しました。また、海外資産関連事案も増加しており、実地調査件数は1,359件、申告漏れ課税価格は97億円でいずれも前年比2割以上の増加です。特に、CRS情報や租税条約による情報交換が活用されており、海外資産の秘匿は極めて困難になっています。
 実例として、海外子会社への貸付金を国内法人口座経由で隠蔽したケースでは、約4.4億円の課税価格の修正が行われ、1.8億円の追徴税額が発生しました。意図的な隠蔽行為は重加算税の対象にもなり得るため、非常に高額な税負担リスクを伴います。

◆実務での対応ポイント
 これらの状況を踏まえ、相続税対策を行う中小企業経営者や資産家は、次の点に留意すべきです。まず、相続前の多額の現金引き出しや贈与については、目的・使途の記録と説明責任を明確にすること。また、海外資産を保有している場合は、その管理状況や取得経緯を文書化しておくことが肝要です。税理士任せにせず、資産構成と過去の資金移動について経営者自身が説明可能な体制を整えておくことが、将来的な税務リスクを軽減する鍵となります。



-2割特例、3割特例から- 簡易課税制度への移行手続き
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◆小規模個人事業者に新たに3割特例を適用
 小規模事業者の消費税の事務負担に配慮して、その納付税額を売上に係る消費税額の2割とする制度(2割特例)は、令和8年9月30日を含む課税期間で終了します。
 令和8年度税制改正では、小規模事業者のうち個人事業者に限り、納付税額を売上に係る消費税額の3割とする負担軽減がはかられます。令和9年分、令和10年分に適用されます。また、2割特例を適用していた個人事業者も令和9年分、令和10年分に3割特例を適用することができます。

◆個人事業者の簡易課税への移行手続き
 簡易課税制度を選択する場合、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。
 2割特例では、この届出手続きが緩和されています。すなわち、2割特例の適用期間終了後、翌課税期間に簡易課税制度に移行する場合、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、その課税期間から簡易課税の適用を受ける旨を記載した簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その課税期間の初日の前日に届出書を提出したものとみなされ、その課税期間から簡易課税制度の適用が認められます。
 3割特例では適用期間の終了後、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その翌課税期間から簡易課税制度が適用されます。
 令和11年から簡易課税に移行する個人事業者は、令和11年の確定申告期限である令和12年3月31日までに、令和11年から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書を提出します。

◆法人の簡易課税への移行手続き
 2割特例を受けている法人は、令和8年9月30日を含む課税期間をもって適用が終了します。令和8年度税制改正では、法人が簡易課税制度に移行する場合、令和8年10月1日以後に終了する課税期間から3割特例の場合と同様の措置が適用されます。すなわち、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間の確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すればよいことになります。たとえば12月決算法人は、令和9年12月期に係る確定申告期限である令和10年2月29日までに届出書を提出すれば、令和9年12月期から簡易課税制度を適用できます。





2026年7月2日更新
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