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事務所だより

◆事務所だより 2月号◆

売掛金が回収できなくなった時の対処法(法的手段に訴える)
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◆売掛金を払ってもらえないときの法的手段
 売掛金は多くの場合「月末締めの翌月末払い」などの条件で支払われますが、払ってもらえなくなった場合、自社の資金繰りが悪化します。まずは直接交渉をして払ってもらえるように努めますが、それでも支払ってもらえない場合には、法的手段に訴えるという選択肢もあります。

◆法的手段を用いた回収方法
 法的手段を用いた回収方法には次のようなものがあります。
(1)支払督促(書類審査のみの簡易手続)
 支払督促は、簡易裁判所を通じて支払いを求める法的な手続きです。債権者からの申立てのみに基づいて行われ、簡易裁判所の書記官が相手に支払いを命じる略式の手続きです。手続きが迅速に進み、相手が異議を申し立てなければ強制執行に必要な「債務名義」を取得できる点が特徴です。
 しかしながら、相手先が異議申し立てをすれば訴訟に移行することになります。
(2)民事調停
 民事調停は、裁判官と調停委員が仲介役となり、話し合いによって民事上の紛争解決を目指す手続きです。話し合いで合意に達すると確定判決と同じ効力を持つ調書が作成され、解決に至らなかった場合は調停が不成立となります。費用が安く、非公開でプライバシーが守られ、当事者が直接顔を合わせずに済むメリットがあります。
(3)訴訟(少額訴訟・通常訴訟)
 調停が不成立となったり、支払督促に異議申し立てをされたりした場合には、訴訟(紛争の解決のために裁判所に訴えて、国家による判断を求める手続き)となります。
 訴訟で確定判決を得れば、それを債務名義に強制執行をすることが可能となります。
(4)強制執行
 調停や裁判で債務が確定しても相手が支払ってくれない場合には、強制執行の手段を執ることができます。
債権者が裁判所に民事執行の申し立てを行い、執行官により差し押さえや換価手続きをしてもらって、債権を回収します。

◆法的手続きは専門家に依頼しましょう
 法的手段は債権者自身でも行えますが、弁護士や認定司法書士(債権額140万円以下の場合)に依頼した方が、時間的にも効率的にもうまく進めることができます。




賃上げ時代の補助金戦略 経産省支援策を正確に活かす
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◆過去最大の最賃引上げと中小企業の現実
 2025年の最低賃金は、全国加重平均で過去最大の66円引上げとなりました。急激な人件費上昇に直面する中小企業を支援するため、経済産業省は価格転嫁、補助金・税制支援、生産性向上策の三本柱で対策を展開しています。特に「改正下請法」では、一方的な価格設定や手形払いを禁止し、賃上げ原資の確保を後押しします。経営者は交渉力に加え、取引適正化に関する情報収集力を高めることが求められます。

◆持続化補助金で賃上げと販路開拓を実現
 小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら販路開拓に取り組む制度です。通常の補助上限は50万円ですが、賃上げ特例を活用すれば150万円が上乗せされ、最大200万円(補助率2/3)まで拡充されます。経営計画を策定し、一定以上の賃上げを行うことが条件です。よろず支援拠点などの専門窓口を通じて、事業計画のブラッシュアップを図るとともに、補助金活用を企業成長の一手として位置付けることが重要です。

◆設備投資補助金特例と加点措置のポイント
 「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「省力化投資補助金」では、最低賃金引上げ特例が要件緩和され、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。指定する一定期間(R5.10~R6.9)に、改定後の地域別最賃未満で3か月以上雇用していた従業員が全体の30%以上いる場合、特例の対象となります。さらに、全国目安で示された最低賃金引上げ額(63円)以上の賃上げを実施した企業には、採択審査で加点措置が行われます。具体的な数値を念頭に置いた賃上げ戦略が、採択率向上の鍵を握ります。

◆厚労省との連携による実務支援の充実
 経済産業省と厚生労働省は、支援策の周知を共同で進めています。全国47か所の労働局・働き方改革推進支援センター、321か所の労働基準監督署、および47か所のよろず支援拠点で、相互に制度案内を実施中です。補助金や助成金、税制支援を組み合わせて活用すれば、単なる賃上げ対応を超えた経営体質強化につながります。
 まずは自社の賃金水準と要件の適合を確認し、最寄りの支援窓口に相談することが第一歩です。補助金は申請技術ではなく、経営戦略の一部として使いこなす時代に入りました。





2026年2月3日更新
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