会社役員・使用人兼務役員・みなし役員
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◆会社の業務執行者である代表者
取締役は、株式会社を代表します。ただし、代表取締役を定めている場合には、代表取締役のみが会社を代表します。代表取締役には業務を執行する権限があり、また、会社の代表として、契約行為や裁判に関する行為をする権限があります。
◆役員で使用人は使用人兼務役員
会社法では、取締役(役員)と従業員は明確に区分されています。役員は、株主総会で選任され、会社に対する各種の責任をもちます。でも、役員でありながら、部長、課長その他法人の使用人としての職務に従事する人もいます。こういう人を「使用人兼務役員」といいます。部長、課長等ではなく、専務、常務等の呼称だったとしても、代表権・業務執行権のない者の場合は、呼称のみの名刺専務等といわれ、通達では、使用人兼務役員の対象から外れない、としています。
◆使用人兼務役員の労働者性要件
役員は株主総会で選ばれて委任契約を結び、雇用契約外の関係なので、本来は、労災保険と雇用保険の適用がありません。ただし、使用人兼務役員の場合は、①役員報酬が労働者としての賃金を上回っていないこと、②代表権・業務執行権を持っていないこと、③就業規則が適用されていること等の条件付きで労災保険・雇用保険の適用を受けられることになっています。
◆税法で規定するみなし役員
なお、法人税法上の役員はもう少し範囲が広く、会社法上の役員でないのに役員と同じく扱われる「みなし役員」という規定があります。使用人のうち次の①②③のすべてを満たす者などで、法人の経営に従事している者のことです。
①単独で50%超の株主グループ、若しくは第3順位までの持分合計が50%超となる株主グループに属している
②その使用人の所属株主グループの持分割合が10%超
③その使用人(配偶者&同族会社株主を含む)の持分割合が5%超
◆みなし役員への制約
みなし役員とされた者については次の取扱いを受けることになります。
①給与は定期同額給与に該当
②過大な給与は損金不算入
③事前確定届出以外の賞与は損金不算入
④労災保険・雇用保険の適用対象外が原則
ホスピスで高齢者が亡くなった場合の小規模宅地等の特例
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◆ホスピスとは
日本ホスピス緩和ケア協会の案内によると、ホスピスとは、がんなど難病で治療が困難となった患者さんとその家族のために医師・看護スタッフがチームで緩和ケアを実施する施設です。1960年代にイギリスで発祥し、これまで医療が担ってきた「検査・診断・治療・延命」ではなく、終末期医療の患者さんの痛みと不安を和らげ、患者さんに寄り添い、本人と家族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上を目的としています。
緩和ケアは在宅で受けることも可能ですが、高齢者の場合、近年は子供世帯の負担の大きさから病院内の緩和ケア病棟や地域で医師と連携できる有料老人ホームなどがホスピスとして利用されています。
◆小規模宅地等の特例適用は条文等から判断
高齢者の方がホスピスで亡くなった場合、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地)の適用関係について、税法にはホスピスという用語は出てこないので、国税庁の質疑応答事例や条文などから判断します。
病院で亡くなった場合、質疑応答事例では、病院の機能等から居宅で起居しないのは一時的なものであり、入院後、居宅が他の用途に供されたような特段の事情がない限り、生活の拠点は居宅にあり、小規模宅地等の特例の適用対象になるとしています。したがって緩和ケアで病院に入院していた場合も同様の扱いとなるものと思われます。
次に、有料老人ホームで緩和ケアを受けていた場合は、租税特別措置法第40条の2第2項の要件に該当するかを確認します。すなわち、被相続人が相続開始直前において①要介護または要支援状態にあること、かつ、②老人福祉法第29条第1項に定める施設であること、そのうえで自宅の生活資材はそのまま、賃貸や事業の用に供していないなどの要件を満たせば、小規模宅地等の特例の適用対象になります。また、特別養護老人ホームなど他の施設の場合でも、各法令で定める施設に該当すれば、同様に小規模宅地等の特例の適用対象になります。
◆有料老人ホームの確認方法
有料老人ホームの事業者は、事業所の設置に際し、事前に都道府県知事に届出が義務付けられ、公開されています。また、契約に際して交付される重要事項説明書の記載をもとに事業内容を確認することもできます。小規模宅地等の特例適用について判断する際は、上記①②の要件を満たしているかをしっかり確認しましょう。