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事務所だより

◆事務所だより 8月号◆

少額減価償却資産の取得価額拡充で上限40万円未満へ!
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◆制度の目的と背景
 中小企業者が事業に必要な少額の設備や備品を購入した際、その費用を購入年度に一括して経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が令和8年度税制改正で拡充・延長され、令和8年4月1日以後の取得分から適用されます。本来、減価償却資産は耐用年数に応じて毎年少しずつ費用計上するのが原則です。しかし、それでは資産管理の事務処理が煩雑になります。本特例は中小企業の事務負担を軽減し、積極的な設備投資を後押しするために設けられたものです。約66万社が活用しており、令和5年度の適用総額は3,728億円に上ります。

◆今回の改正ポイント
 改正前は取得価額「30万円未満」の資産が対象でしたが、今回の改正で「40万円未満」へと上限額が引き上げられました。これにより、これまで対象外だった30万円から40万円未満の設備・ソフトウェア等も一括損金算入が可能となります。適用上限は年間合計300万円で、この点は改正前と変わりません。適用期限は令和10年度末(令和11年3月31日)まで3年間延長されます。なお、貸付けの用に供した資産(主要な事業として行われるものを除く)は引き続き対象外となりますのでご注意ください。

◆対象企業と要件の確認
 この特例を利用できるのは青色申告書を提出する「中小企業者等」に該当する法人です(個人も青色中小事業者であれば利用可)。資本金額または出資金額が1億円以下の法人が基本となりますが、大法人の子会社等や通算法人、保険業法に規定する相互会社、投資法人、特定目的会社、適用除外事業者(過去3年間の平均所得金額が15億円を超える事業者)は対象外です。従業員数は中小企業者で400名以下、出資金等が1億円超の組合等では300名以下が要件となります。自社が確実に対象に該当するかは、税理士に確認のうえで購入の検討をお願いします。

◆経営者がいま行うべき行動
 単価30万円以上40万円未満の備品・ソフトウェア・工具等の購入を検討している場合、一括費用計上が可能となりますから、年間合計300万円枠の管理と購入タイミングを確認し、投資計画の見直しに着手してください。税務申告の際には適用漏れのないよう、顧問税理士との早めの打ち合わせをお勧めします。




「配当等とみなす金額に関する支払通知書」が届いたら
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◆上場株式で配当の際の源泉所得税
 上場株式を保有していると現金配当が年2回(業績により1回・ゼロ回)あります。
 株主が法人の場合、15.315%の源泉所得税が控除され、手取りは84.685%です。個人の場合、20.315%の源泉税で手取りは79.685%です。なお、NISA(少額投資非課税制度)口座での取引から得た配当金に原則税金はかかりません。

◆「配当等とみなす金額に関する支払通知書」
 会社が投資している上場株式の某銘柄から久しぶりに配当がありました。記帳しようとしたところ、1株当たりの配当金額から計算した金額と控除されている所得税額の数字が合いません。配当金計算をよく見ると「みなし配当金額」という見慣れぬ文字も記載されています。また、計算書が入っていた封筒には、これまた初めて見る「配当等とみなす金額に関する支払通知書」という紙も同封されていました。
 その通知書によると、今回の配当は、“資本剰余金を原資として配当金が支払われた”という説明がありました。資本剰余金とは、株主からの出資額のうち、資本金に組み入れられなかった分で、貸借対照表の純資産の部に計上されます。発生の原因は増資や合併、自己株式の処分などで、企業活動の「元手」の残りで、配当原資や損失補填に活用されます。
 今回の某銘柄からの配当は、業績不振で無配にしたところ株価が急落したため、それへの対応として、(通常の)利益剰余金からの配当に資本剰余金を原資とした配当も組み合わせたということのようでした。

◆資本剰余金から配当があった場合の経理
 資本剰余金からの配当は、資本等の額からなる部分が「資本の払戻し」、資本等の額以外の金額からなる部分が「みなし配当」となります。
 「みなし配当」は配当所得として所得税等の源泉徴収の対象となります。
 「資本の払戻し」は保有株式の一部をその配当をした会社に譲渡したものとみなされ、税法上「みなし譲渡損益」が発生します。「取得価額の調整」と「みなし譲渡損益の計算」が必要です。この2つの金額は、発行会社から通知される「純資産減少割合」を用いて計算されます。通知書には計算例が記載されていますので、それを見ながら、自社の帳簿に記帳します。一見面倒そうですが、計算例に従うと計算自体は難しくはありません。


2026年8月4日更新
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