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事務所だより

◆事務所だより 4月号◆

-令和8年度税制改正- 資産課税編
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◆教育資金一括贈与の非課税制度は廃止
 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、令和8年3月31日をもって廃止されます。
 この制度は、利用件数が減少していること、高額所得者に利用が集中して経済格差の固定化につながることが問題視されていました。令和8年度改正では、ガソリン税の旧暫定税率廃止や教育無償化の財源確保の手段として廃止されることとなりました。なお、同日までに拠出された金銭は、引き続き、この制度を利用できます。

◆事業承継税制は計画の提出期限を延長
1.個人事業承継計画
 個人の事業用資産にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度(個人版事業承継税制)では、「個人事業承継計画」の提出期限が、令和10年9月30日まで延長されます。
2.特例承継計画
 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度(法人版事業承継税制)のうち特例措置は、平成30年1月1日から10年間限定で全株式に100%納税猶予を認めるものです。この措置の適用に義務付けられる「特例承継計画」の提出期限が、令和9年9月30日まで延長されます。

◆貸付用不動産の財産評価の適正化
 貸付用不動産の市場価格と財産評価基本通達による評価額との乖離を利用した節税策は、総則6項により時価評価を求める国税庁と通達評価額による評価を求める納税者との間で訴訟を多数引き起こし、課税上の扱いを予測困難にしていました。
 令和8年度改正では、貸付用不動産に対する財産評価の取扱いが整備されます。
1.課税時期前5年内取得等の貸付用不動産
 課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築した貸付用不動産の財産評価は、課税時期の通常の取引価額に相当する金額により評価すること、課税上の弊害がない限り、貸付用不動産の取得価額をもとに時価の変動等を考慮して計算した価額の80%相当額で評価できるとされます。
2.不動産小口化商品
 相続等で取得する不動産小口化商品の財産評価は取得時期にかかわらず課税時期の通常の取引価額に相当する金額とされます。
 1・2いずれも令和9年1月1日以後に相続等で取得する財産の評価に適用されます。
 なお、この改正は、通達に定める日の5年前から被相続人が所有する土地に新築した家屋には適用されません。


-令和8年度税制改正- 法人課税編
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◆特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
 危機管理投資・成長投資による「強い経済」実現のため、国内で高付加価値化型の設備(特定生産性向上設備等)に大胆な投資を促す税制が創設されます。
 国の確認を受けた日から5年経過日までに取得価額の合計額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)およびROI(投資利益率) 15%以上の設備投資を行う法人は、投資額100%の即時償却または取得価額の7%(建物、附属設備、構築物は4%)の税額控除(法人税額の20%を上限)を選択できます。一定の要件を満たす場合には、控除限度超過額は3年間の繰越しができます。

◆試験研究に係る税額控除制度の創設
 研究開発税制に新たな制度が設けられます。産業技術力強化法の重点研究開発計画の認定を受けた法人が5年以内に重点産業技術(AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙)に係る試験研究を行った場合には、試験研究費の額の40%(特別重点産業技術試験研究費については50%)の税額控除(法人税額の10%を上限)を受けます。試験研究費の額が前期を上回る場合は、控除限度超過額は3年間、繰越しできます。

◆オープンイノベーション促進税制は拡充
 オープンイノベーション税制は、M&A型の拡充等を行ったうえで2年延長します。M&A型はスタートアップの発行済株式の50%超(上限200億円)を取得した法人が株式取得価額の25%以下の金額を所得控除できる制度です。令和8年度改正では、3年以内に出資割合50%超となる見込みの場合においても、株式取得価額の20%以下の金額を所得控除できるようになります。

◆賃上げ促進税制は大企業向けを廃止
 賃上げ促進税制は、賃上げが順調に進む大企業向けを適用期限を待たずに令和8年3月31日をもって廃止。中堅企業向けは、より高い賃上げを促す下記の要件を強化したうえで令和9年3月31日をもって廃止します。
① 税額控除率10%の適用要件:給与支給額の増加率4%以上(現行3%以上)
② 継続雇用者の税額控除率の加算措置:給与支給額の増加率5%以上で5%加算、増加率6%以上の場合は15%加算
 中小企業向けは、防衛的賃上げに取り組む企業に配慮し、現行制度を維持します。
 なお、教育訓練費を増加させた場合の上乗せ措置は廃止されます。


-令和8年度税制改正- 国際課税・防衛力強化課税編
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◆グローバルミニマム課税への対応
 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(グローバルミニマム課税)は、年間総収入金額7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業グループに適用され、実効税率が最低税率15%に満たない場合に課税されます。実効税率の計算で使用する調整後対象租税額には、繰延税金資産、繰延税金負債の計上を加味した調整が行われます。
 令和8年度改正では、OECDの発出したガイダンスに基づき、移行対象会計年度前の対象会計年度に計上された次の繰延税金資産、繰延税金負債はないものとされます。
①国・地方公共団体と締結された税額控除等の取決めにより生じた繰延税金資産
②外国の法令で資産、負債の時価評価により計上した繰延税金資産、繰延税金負債

◆外国子会社合算税制の見直し
 外国子会社合算税制(CFC税制)は、親会社が軽課税国に設立した外国子会社等を利用した租税回避を防止するため、外国子会社等の所得を親会社の所得に合算課税するものです。これまで清算中の外国子会社等の清算過程で生じた所得が合算課税の対象となったり、事業上必要な持株会社がペーパーカンパニーとして合算課税の対象となることなどが課題となっていました。
 令和8年度改正では、清算中の外国関係会社又は外国金融子会社等が解散日を含む事業年度前2年間、外国金融子会社等の場合は解散日を含む事業年度前1年間、経済活動基準を全て満していた場合、それぞれ部分対象外国関係会社又は外国金融子会社等とみなして、解散した事業年度終了の日から3年間、配当等の受動的所得のみを合算課税の対象とします。
 また、株式保有を主たる事業とする外国関係会社の事業年度末の総資産額がゼロの場合、合算課税の対象としないペーパーカンパニー特例に係る資産割合要件の判定を不要とする等の改正が行われます。
 外国関係会社の令和8年4月1日に開始する事業年度から適用されます。

◆防衛特別所得税の創設
 防衛力強化課税は、令和7年度改正で防衛特別法人税とたばこ税が整備されました。
 令和8年度改正では、所得税額の1%を付加税とする防衛特別所得税が創設されます。復興特別所得税の税率は1.1%(現行2.1%)に引き下げ、課税期間を令和29年まで(現行は令和19年まで)延長します。
 令和9年分以後の所得税に適用されます。


2026年4月2日更新
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