松岡国際税務会計事務所-神奈川県藤沢市-
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信託の活用法(5)-生命保険信託
少子化と高齢化が加速する我が国においては相続を通じて次世代に移転する遺産額は年間約55兆円と推定されており、同様の事情を抱える米国においては、遺産移転規模は日本の約2倍の120兆円と見積もられている。米国においては、資産の移転・承継を生前から計画することをエステート・プラニング(Estate Planning)と呼んでいるが、生前信託(Living Trust)を利用した生命保険信託を活用する例が多い。これは、遺言によると裁判所の検認手続き、遺産管理などの手間と費用また法定相続分や配偶者の遺留分規定による遺産分割の争いが生じるリスクが生じるが、生前信託を適切かつタイムリーに設定することにより避けることができるためである。
米国において、生命保険の保障額は高額であり、1億ドルを超えることもある。また生命保険金の受け取りは、被相続人が保険契約の所有管理者(incident of ownership)でない限り遺産税(Estate Tax)上非課税であるので(IRC2042(1))、撤回不能信託(Irrevocable Trust;IT)と呼ばれる信託の設定原因、受益者、保険金の請求権などの条件を変更できず、所有権の留保と見做されない撤回不能信託の受託者が生命保険の契約者・保険金受取人となる。ただし、日本の相続税法19条①と同様の、相続開始前3年以内の持ち戻し規定があるため(IRC2035(a))、撤回不能信託の設定と生命保険の契約は、他界する3年前までにする必要がある。
一方、日本では信託はその設定目的、受託者・受益者の利益そして関係当事者の合意があれば変更可能と規定しており(信託法 149条)撤回可能な信託が前提となっている。また、生命保険信託については相続税法3条及び5条に従い生命保険金と同様にみなし相続・贈与財産に含めると通達されており(相続法基本通達9の2-7)被相続人が保険料を負担した生命保険金は、生命保険信託を契約者兼保険金受取人に設定しても相続税・贈与税が課され、エステート・プラニングの使い勝手が悪くなっている。
米国において、生命保険の保障額は高額であり、1億ドルを超えることもある。また生命保険金の受け取りは、被相続人が保険契約の所有管理者(incident of ownership)でない限り遺産税(Estate Tax)上非課税であるので(IRC2042(1))、撤回不能信託(Irrevocable Trust;IT)と呼ばれる信託の設定原因、受益者、保険金の請求権などの条件を変更できず、所有権の留保と見做されない撤回不能信託の受託者が生命保険の契約者・保険金受取人となる。ただし、日本の相続税法19条①と同様の、相続開始前3年以内の持ち戻し規定があるため(IRC2035(a))、撤回不能信託の設定と生命保険の契約は、他界する3年前までにする必要がある。
一方、日本では信託はその設定目的、受託者・受益者の利益そして関係当事者の合意があれば変更可能と規定しており(信託法 149条)撤回可能な信託が前提となっている。また、生命保険信託については相続税法3条及び5条に従い生命保険金と同様にみなし相続・贈与財産に含めると通達されており(相続法基本通達9の2-7)被相続人が保険料を負担した生命保険金は、生命保険信託を契約者兼保険金受取人に設定しても相続税・贈与税が課され、エステート・プラニングの使い勝手が悪くなっている。
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