松岡国際税務会計事務所-神奈川県藤沢市-
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米国信託財産の相続裁決(平成30年)
近年、外国に居住する親族から遺産を相続ケースが増加してきているが、米国の信託受益権を相続したケースにつき、国税不服審判所が下した裁決(平成30年2月1日)が、日米の相続手続きの相違を考えるうえで参考となる。
事例としては、日本の居住者である相続人が米国カリフォルニア州に居住していた伯母から、伯母夫婦が設定していた生前信託を伯父の死亡により伯母がその信託受益権の全額を生存信託(Survivor's Trust)として引き継いだ後、伯母は亡くなり、日本に居住する相続人が相続した事例である。
争点となったのは、1)信託受益権につき米国にて課税された遺産税は、日本の相続税法上、二重課税として外国税額控除を受けることができると、相続人は主張した。これに対して、国税不服審判所は日米相続税条約5条によれば、被相続人(伯母)の死亡時に、日米同時に課税される場合のみ、二重課税の調整を行うとした。
けだし、伯父が死亡した時に生前信託につき遺産税が課されたが、伯母が亡くなった時点では信託受益権に対して遺産税は課されてなかった。これは、米国遺産税は、日本のように相続人に対して相続した遺産に対して課税されるのではなく、被相続人の遺産全体に対して遺産管理人を通じて課税され、遺産控除額も約12億円であり、富裕層にのみ課税されるためである。
また、2)米国での伯母の葬式に参列するための旅費や裁判所の検認手続き(プロベート)費用については、日本の相続税法13条上、相続財産から控除できるのは、被相続人の債務で現に存するもの,及び葬式費用に限定されており該当しないとした。米国では資産管理として信託が多用されているので、日本の居住者が相続する場合に、この裁決は指針となる。
事例としては、日本の居住者である相続人が米国カリフォルニア州に居住していた伯母から、伯母夫婦が設定していた生前信託を伯父の死亡により伯母がその信託受益権の全額を生存信託(Survivor's Trust)として引き継いだ後、伯母は亡くなり、日本に居住する相続人が相続した事例である。
争点となったのは、1)信託受益権につき米国にて課税された遺産税は、日本の相続税法上、二重課税として外国税額控除を受けることができると、相続人は主張した。これに対して、国税不服審判所は日米相続税条約5条によれば、被相続人(伯母)の死亡時に、日米同時に課税される場合のみ、二重課税の調整を行うとした。
けだし、伯父が死亡した時に生前信託につき遺産税が課されたが、伯母が亡くなった時点では信託受益権に対して遺産税は課されてなかった。これは、米国遺産税は、日本のように相続人に対して相続した遺産に対して課税されるのではなく、被相続人の遺産全体に対して遺産管理人を通じて課税され、遺産控除額も約12億円であり、富裕層にのみ課税されるためである。
また、2)米国での伯母の葬式に参列するための旅費や裁判所の検認手続き(プロベート)費用については、日本の相続税法13条上、相続財産から控除できるのは、被相続人の債務で現に存するもの,及び葬式費用に限定されており該当しないとした。米国では資産管理として信託が多用されているので、日本の居住者が相続する場合に、この裁決は指針となる。
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