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案内板

【7年改正のすべて1】基礎控除の改正

基礎控除の改正は、主に物価上昇局面における税負担の調整と就業調整対策の観点から実施されました。

改正の趣旨と核心
• 物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題に対処するため、所得税の基礎控除の額を引き上げることとされました。
• 基礎控除の額は、最高48万円から最高58万円へ、10万円(約20%)引き上げられます。
• 低所得者層の税負担への配慮や、物価上昇に賃金上昇が追いついていない状況を踏まえ、中所得者層を含めて税負担を軽減する観点から、所得税の基礎控除の特例が創設されることとされました。

基礎控除の控除額(令和7年分以後)
所得税法上の基礎控除額は、個人の合計所得金額に応じて以下のとおり改められました。
• 合計所得金額が2,350万円以下:58万円
◦ (改正前は2,400万円以下で48万円でした。)
• 合計所得金額が2,350万円超2,400万円以下:48万円
• 合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下:32万円
• 合計所得金額が2,450万円超2,500万円以下:16万円
• 合計所得金額が2,500万円超:0円(適用なし)

居住者に対する基礎控除の上乗せ措置(特例)
租税特別措置法において、令和7年分以後の居住者の基礎控除について、以下のとおり上乗せ措置(加算)が創設されました。
• 合計所得金額132万円以下の居住者:37万円が加算されます(令和7年分・8年分、および令和9年分以後)。
• 合計所得金額が132万円超336万円以下の居住者:令和7年分・8年分は30万円が加算されます。
• 合計所得金額が336万円超489万円以下の居住者:令和7年分・8年分は10万円が加算されます。
• 合計所得金額が489万円超655万円以下の居住者:令和7年分・8年分は5万円が加算されます。
• この上乗せ措置は年末調整において適用することができます。ただし、月額表や日額表などを用いた給与等の源泉徴収の際には考慮されません。

公的年金等に係る源泉徴収の改正(令和8年1月1日以後適用)
基礎控除の改正に伴い、公的年金等に係る源泉徴収税額の計算上控除する基礎的控除額などが引き上げられました。
• 公的年金等の源泉徴収における基礎的控除額の引き上げ
◦ 年齢65歳未満の者について、公的年金等の月割額に加算される金額の最低保障額が9万円未満の場合の9万円から10万円未満の場合の10万円に引き上げられました。
◦ 年齢65歳以上の者について、公的年金等の月割額に加算される金額の最低保障額が13万5千円未満の場合の13万5千円から14万円未満の場合の14万円に引き上げられました。
• 源泉徴収を要しない公的年金等の額の引き上げ
◦ 年齢65歳未満の者の限度額が108万円から118万円に引き上げられました。
◦ 年齢65歳以上の者の限度額が158万円から168万円に引き上げられました(控除額の調整が行われる公的年金等にあっては、80万円から90万円に引き上げ)。
◦ ※上記の金額は、租税特別措置法による基礎控除の上乗せ措置に伴い、令和8年分以後の各年においてはさらに引き上げられる規定が設けられています。

令和7年分における公的年金等に係る源泉徴収税額の充当・還付(経過措置)
• 令和7年中に限り、基礎控除の引上げに伴う源泉徴収税額の調整を一定程度行うため、特定公的年金等の支払者が令和7年12月1日以後その年最後に支払をする場合、徴収された所得税額の合計額が改正後の規定で計算した税額を超過するときは、その超過額を徴収すべき所得税に充当し、充当しきれない場合は還付する措置が講じられます。

適用開始時期
• 所得税の基礎控除の額の改正(合計所得金額に応じた控除額の変更)は、令和7年分以後の所得税について適用されます。
• 給与等に係る源泉徴収の改正(給与所得の源泉徴収税額表の改正等)は、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等について適用されます。
• 公的年金等に係る源泉徴収の改正は、令和8年1月1日以後に支払うべき公的年金等について適用されます。
• 令和7年分の基礎控除の改正(10万円引き上げ)または基礎控除の上乗せ措置の適用により異動が生じた確定申告書を同年12月1日より前に提出等していた者は、同日から5年以内に税務署長に対し更正の請求をすることができます。
2025年11月17日更新
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