------------------------------------------------------------------------------
徴収不能債権の取り扱いに関する基準(サンプル)
------------------------------------------------------------------------------
第1条(目的)
本基準は、法人の資産を健全に保つとともに、財務実態を適正に反映させるため、回収の見込みがない事業未収金(以下「徴収不能債権」という)の処理基準および手続きを定めることを目的とする。
第2条(徴収不能と判断する基準)
以下の各号のいずれかに該当し、債務を履行させることが著しく困難または不適当と認められる場合に、徴収不能債権として処理対象とする。
時効の完成: 消滅時効が完成し、かつ債務者の住所・居所が不明であるとき、または債務者が時効を援用する見込みがあるとき。
死亡・失踪: 債務者が死亡または失踪宣告を受け、差し押さえ可能な財産がなく、相続人による債務引受も期待できないとき。
法的免責: 破産法その他の法令の規定により、債務者が当該債権につきその責任を免れたとき(自己破産による免責決定など)。
費用対効果の欠如: 強制執行その他債権の取立に要する費用が、当該債権の金額より高額であると認められるとき。
所在不明かつ長期滞納: 連絡が取れないケースのうち、相当回数の督促や実態調査(現地訪問等)を行ってもなお居住実態が不明で、一定期間(例:5年)以上経過したとき。
第3条(決済フロー・承認権限)
徴収不能債権の処理にあたっては、以下のフローによる決裁を行わなければならない。
調査・起案: 会計担当者(または生活相談員)は、滞納者の状況を調査し、第2条の基準に合致することを確認した上で「徴収不能債権処理申報書(仮称)」を起案する。
審査: 会計責任者は、起案内容を審査し、統括会計責任者に報告する。
承認:理事長による専決: 「日常の業務」として理事会が定める範囲内(例:1件当たりの金額が少額で、法人運営に重大な影響がないもの)であれば、理事長が承認(専決)する。
理事会による決定: 理事長専決事項の範囲を超えるもの、または法人運営に重大な影響を及ぼす可能性があるものについては、理事会の決議により決定する。
理事会への報告: 理事長が専決した事項については、その結果を遅滞なく理事会に報告しなければならない。
第4条(会計処理)
徴収不能の承認を得た債権については、速やかに以下の会計処理を行い、債権を消し込むものとする。
引当金の充当: あらかじめ計上していた「徴収不能引当金」を取り崩して相殺する。
直接減額: 引当金で不足する場合、または引当金を計上していない場合は、当該年度の費用として「徴収不能額」または「不納欠損金」として処理する。
第5条(記録の保存)
徴収不能処理を行った債権については、その判断根拠となった調査記録、督促の証跡、承認文書を適切に保管しなければならない。