永野隆幸税理士事務所
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電子申告(e-TAX,eL-TAX)と書面添付・クラウドCP会計に力を入れています。
陶器の看板は(社)信楽くるみ福祉会制作
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Ⅰ、分掌変更退職金に注意!/Ⅱ、役員報酬は「給与等」なのか 差し押さえで審判所判断 2010年5月21日
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決算公告
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リンク集
ニュース2
Ⅰ、最高裁二重課税判決の意義Ⅱ、二重課税につき取り消せ Ⅲ、お中元の税務
Ⅰ、最高裁二重課税判決の意義
◇最高裁二重課税禁止判決の独自内容
年金への所得税と相続税の二重課税を禁ずる先月7月6日の納税者逆転勝訴最高裁判決(長崎地裁は勝訴、福岡高裁は敗訴)の内容は、勝訴していた長崎地裁の判決と少し異なります。
地裁は、年金への課税は相続税で済んでいるのだから、所得税で再課税すべきではない、としたのに対し、最高裁は、相続税の課税済み部分はその後の所得税課税において重ねて課税してはならない、です。
◇年金についての二つの非課税
所得税法には元々退職遺族年金非課税の規定がありました。今回の年金判決で争点だった「相続取得によるものは非課税」との規定により、退職遺族年金以外の遺族の受け取る年金も、非課税が確認されました。
それでは、元々の退職遺族年金非課税規定は特別に法律規定がなくてもよかったことになったのでしょうか。この疑問は、被告の国税サイドが反論として何度も主張していたところでした。
◇最高裁判決の独自内容の意味
相続税が課税される相続財産の価額と、所得税が課税される所得の収入金額とには一時の一括課税か、何回かの分割課税か、長期間経過後の課税か、という理由による相違があります。その相違からくる金額差の部分にのみ所得税は課し得る、というのが、最高裁判決の独自内容です。
その独自内容によって、先の、二つの年金非課税の疑問に答えたのです。即ち、退職遺族年金は相続課税と無関係に非課税、相続取得年金は相続課税部分のみ非課税、という理解です。
◇新たな考え方による法解釈
最高裁判決の独自内容の意義は、相続税は一種の特別な所得税なのだから、相続税の課税済み部分にその後の所得税課税が重複してはならない、と言うことです。
年金について言えば、従来は、過去に支払い済みの保険料(被相続人が支払ったものを含む)を超過して受け取る年金部分が所得税の課税対象と理解されていました。
今度は、この支払原価超過分への課税の前に、相続課税済み部分を除外する、と大きく課税対象に変更を加えたのです。
そして、この新たな考え方の影響は遺族年金への課税問題にとどまらず、相続財産に関わるその後の所得税課税全体に及ぶことになります。
Ⅱ、二重課税につき取消せ
◇年金保険への課税の現況
相続税法では、年金は年金受給権として評価され、相続財産として課税されます。その後、年々の年金受給が始まると、雑所得として所得税が課税されていました。
ただし、年金で受けとるのではなく、一時金で受け取ることにした保険金については、相続税がかかるだけで、所得税はかからないことになっていました。
◇年金と保険一時金の相違
一時金なら非課税ということは通達に書かれていたのですが、その通達は、所得税法に、「相続により取得するものには所得税を課さない」という規定があったことに根拠を置いています。
でも、法律には、年金の場合は課税できる、との規定はありませんでした。国側の解釈は、相続税と所得税の課税のタイミングが同時のもので、いかにも二重課税が明白なものに限定しての非課税規定、というものでした。
◇長崎からの告発
税理士も、なんとなくへんだ、と思いつつ、所得税法の解釈について、国の言うことに流されていたところでしたが、長崎の相続未亡人とその関与税理士は、国の言うことに納得せず、相続課税後の年金所得に所得税をかけるのは二重課税であると主張して裁判に訴えました。
裁判の経過は次の通りでした。
平成18年11月7日 長崎地裁 勝訴
平成19年10月25日 福岡高裁 敗訴
平成22年7月6日 最高裁 勝訴
最高裁での二重課税禁止判決はニュースで大きく取り上げられましたので、ご存じのことと思います。
◇国税のすばやい対応
最高裁の判決後、類似のケースには、過去5年分につき、更正手続により還付し、もっと古い分については、立法的に手当てすることを検討する、と財務大臣が即座に表明しています。
この素早い対応は、判決への国税庁の真摯な姿勢のように見えますが、穿った見方からすれば、判決の及ぼす税制への衝撃を、年金問題だけに食い止めようとしている思惑にも思えます。なぜなら、相続税と所得税との二重課税は、年金だけのところにあるわけではないからです。
Ⅲ、お中元は、基本的には「交際費」として処理します。
平成21年度の追加経済対策により、年間400万円だった中小企業の交際費の損金算入限度額が年間600万円まで引上げられました。決して大盤振る舞いができるような経済状態ではありませんが、日ごろお世話になっている人や企業への感謝の気持ちを込め、実のあるお中元の贈答を行いたいものです。
◇最高裁二重課税禁止判決の独自内容
年金への所得税と相続税の二重課税を禁ずる先月7月6日の納税者逆転勝訴最高裁判決(長崎地裁は勝訴、福岡高裁は敗訴)の内容は、勝訴していた長崎地裁の判決と少し異なります。
地裁は、年金への課税は相続税で済んでいるのだから、所得税で再課税すべきではない、としたのに対し、最高裁は、相続税の課税済み部分はその後の所得税課税において重ねて課税してはならない、です。
◇年金についての二つの非課税
所得税法には元々退職遺族年金非課税の規定がありました。今回の年金判決で争点だった「相続取得によるものは非課税」との規定により、退職遺族年金以外の遺族の受け取る年金も、非課税が確認されました。
それでは、元々の退職遺族年金非課税規定は特別に法律規定がなくてもよかったことになったのでしょうか。この疑問は、被告の国税サイドが反論として何度も主張していたところでした。
◇最高裁判決の独自内容の意味
相続税が課税される相続財産の価額と、所得税が課税される所得の収入金額とには一時の一括課税か、何回かの分割課税か、長期間経過後の課税か、という理由による相違があります。その相違からくる金額差の部分にのみ所得税は課し得る、というのが、最高裁判決の独自内容です。
その独自内容によって、先の、二つの年金非課税の疑問に答えたのです。即ち、退職遺族年金は相続課税と無関係に非課税、相続取得年金は相続課税部分のみ非課税、という理解です。
◇新たな考え方による法解釈
最高裁判決の独自内容の意義は、相続税は一種の特別な所得税なのだから、相続税の課税済み部分にその後の所得税課税が重複してはならない、と言うことです。
年金について言えば、従来は、過去に支払い済みの保険料(被相続人が支払ったものを含む)を超過して受け取る年金部分が所得税の課税対象と理解されていました。
今度は、この支払原価超過分への課税の前に、相続課税済み部分を除外する、と大きく課税対象に変更を加えたのです。
そして、この新たな考え方の影響は遺族年金への課税問題にとどまらず、相続財産に関わるその後の所得税課税全体に及ぶことになります。
Ⅱ、二重課税につき取消せ
◇年金保険への課税の現況
相続税法では、年金は年金受給権として評価され、相続財産として課税されます。その後、年々の年金受給が始まると、雑所得として所得税が課税されていました。
ただし、年金で受けとるのではなく、一時金で受け取ることにした保険金については、相続税がかかるだけで、所得税はかからないことになっていました。
◇年金と保険一時金の相違
一時金なら非課税ということは通達に書かれていたのですが、その通達は、所得税法に、「相続により取得するものには所得税を課さない」という規定があったことに根拠を置いています。
でも、法律には、年金の場合は課税できる、との規定はありませんでした。国側の解釈は、相続税と所得税の課税のタイミングが同時のもので、いかにも二重課税が明白なものに限定しての非課税規定、というものでした。
◇長崎からの告発
税理士も、なんとなくへんだ、と思いつつ、所得税法の解釈について、国の言うことに流されていたところでしたが、長崎の相続未亡人とその関与税理士は、国の言うことに納得せず、相続課税後の年金所得に所得税をかけるのは二重課税であると主張して裁判に訴えました。
裁判の経過は次の通りでした。
平成18年11月7日 長崎地裁 勝訴
平成19年10月25日 福岡高裁 敗訴
平成22年7月6日 最高裁 勝訴
最高裁での二重課税禁止判決はニュースで大きく取り上げられましたので、ご存じのことと思います。
◇国税のすばやい対応
最高裁の判決後、類似のケースには、過去5年分につき、更正手続により還付し、もっと古い分については、立法的に手当てすることを検討する、と財務大臣が即座に表明しています。
この素早い対応は、判決への国税庁の真摯な姿勢のように見えますが、穿った見方からすれば、判決の及ぼす税制への衝撃を、年金問題だけに食い止めようとしている思惑にも思えます。なぜなら、相続税と所得税との二重課税は、年金だけのところにあるわけではないからです。
Ⅲ、お中元は、基本的には「交際費」として処理します。
平成21年度の追加経済対策により、年間400万円だった中小企業の交際費の損金算入限度額が年間600万円まで引上げられました。決して大盤振る舞いができるような経済状態ではありませんが、日ごろお世話になっている人や企業への感謝の気持ちを込め、実のあるお中元の贈答を行いたいものです。
2010年8月25日更新
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