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相続税情報③

空き家の取壊しはいつまで? -相続空き家の特例-

 被相続人の居住用家屋と敷地を相続したものの、今後住む予定がなく売却する場合、譲渡益の3000万円控除(相続空き家の特例)を受けるには、相続人の側で空き家を取り壊し、更地で売却することが現実的です。

◆空き家取壊しのメリット、デメリット
 空き家を放置するとゴミが不法投棄され、台風で屋根が飛ばされるなど近隣に被害を及ぼして苦情を受けるリスクが生じますが、取り壊すことで回避できます。
 一方で空き家の取壊しには、工事費用がかかるほか、アスベストの飛散防止をはかることの行政への届け出、近隣への事前説明など環境に配慮した手続きの義務が生じます。また、すぐに売却先が見つからずに更地のまま1月1日を迎えた場合、固定資産税・都市計画税に小規模住宅用地の減免措置(200㎡まで固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に減免)は適用されません。

◆特例の適用要件
 相続空き家の特例を受けるには、(1)相続開始直前に被相続人が一人で居住していたこと(2)区分所有建物でないこと(3)昭和56年5月31日以前の建築であること(4)譲渡金額は1億円以下(5)相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること(6)耐震基準に適合するよう空き家をリフォームしてから売却、または取り壊して更地で売却する等。

◆取壊しは売却前に相続人で行う
 以上の要件から空き家の取壊しは売却前に実施しないと特例が適用されません。売主としては取壊しが面倒なので買主に依頼し、その分、売却価格で調整して済ませたいと考えたくもなりますが、この場合は譲渡後の取壊しとなるので、3000万円控除を受けられません。
 なお、譲渡所得の申告に際し、譲渡日を引渡日とする方法と契約締結日とする方法を選択できますが、譲渡日を契約締結日とする場合は、空き家の取壊しは契約前に済ませるよう注意が必要です。

◆空き家を相続したときは
 3000万円控除を受けるには、特例の適用要件を満たしていることを確認し、解体業者から工事費の見積りを先に取得します。不動産仲介会社で売却先が見つかったときは、売主の側で空き家を取壊すことを条件に解体工事を発注し、売買契約では更地での譲渡、工事完了後の譲渡日の設定がポイントになりそうです。

事務所だより令和4年2月号②より抜粋

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相続登記が義務化されます

◆相続登記は3年以内に
 令和3年4月に成立した改正不動産登記法では、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務付けられました。これまで登記未了であった全ての不動産にも適用され、正当な理由のない申請漏れは、10万円以下の過料の対象となります。新制度は成立後3年以内、令和6年までに施行される予定です。経過措置により施行日前の相続・遺贈の場合、令和6年までの施行から3年間が登記申請義務の履行期間となります。

◆新たに相続人申告登記制度がスタート
 相続人の申請義務を簡易に履行できる「相続人申告登記制度」が新設されました。相続登記されないまま長期化すると所有者不明土地を生み、行政に支障をきたす原因にもなります。このため、相続人申告登記では遺産分割未了であっても登記名義人について相続が開始したこと、相続人の氏名・住所を登記に付記することで登記義務を履行できることとしました。遺産分割未了のため、持分の登記はありません。後日、遺産分割協議が整ったときは遺産分割成立日から3年以内に、協議の結果を踏まえた登記申請が義務付けられます。

◆とりあえず法定相続分での登記に注意!
 もちろん、遺産分割未了の状態であっても従前どおり相続開始後3年以内に、とりあえず法定相続分で暫定的な登記を行い、遺産分割協議が調った後に登記し直すことも可能です。
 しかし、法定相続分で登記をしても遺産分割協議前であれば不動産の利用、売却等には共有者の間で何らかの同意が必要となります。相続人が死亡すると権利者は更に増えて、遺産分割は難航必至です。

◆相続人申告登記も遺産分割は先送りのまま
 相続人申告登記を行って遺産分割協議を続行する場合も、民法上は、法定相続分で共有されたままですので、不動産の利用、売却等に際し、共有者の間で同意が必要となることに変わりなく、相続人申告登記も遺産分割の先送りに過ぎません。

◆それぞれの事情を斟酌した遺産分割協議を
 相続した不動産は相続人の居住用とするか、賃貸用とするか、売却をいつするかなど有効利用をはかり、そのうえでそれぞれの相続人の事情を斟酌した速やかな遺産分割協議ができるかがポイントになるのではないでしょうか。

事務所だより令和4年2月号①より抜粋

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「同居」はいつから?小規模宅地等の課税価格の減額

◆「同居するのが一番の節税」と聞きますが
 「同居をするのが一番の節税」という言葉をたまに耳にします。所得税に同居老親等(扶養控除)や同居特別障害者(障害者控除)という制度もありますが、ここでは節税効果の高い相続税の「小規模宅地等の課税価格の特例」のことを言っています。
 相続税では、居住用や事業用の宅地は、被相続人らの「生活の基盤」となっており、その処分に相当の制約があることから、一定の限度面積まで、課税価格の80%(又は50%)の減額を認めています。これを「小規模宅地等の課税価格の特例」といいます。

◆特定居住用宅地等の要件
 被相続人の居宅の敷地となっている宅地を同居していた親族が相続等により取得した場合に、次の要件を充たすときは、「特定居住用宅地等」とし80%減額(330㎡まで)を受けることができます。
(1)居住継続要件
 相続開始時から相続税の申告期限まで、引続き、その居宅に居住していること
(2)保有継続要件
 その宅地等を相続税の申告期限まで保有していること

◆条文に「同居はいつから」とは明記なし
 この場合、同居親族が相続開始時から申告期限までには、被相続人の居宅であった家屋に住み続けばならないと規定はされていますが、同居親族が被相続人と「いつから同居しなければならない」とは、条文に明記されていません。少しの間でも、被相続人と亡くなる直前まで一緒に住んでいればよいということになります。

◆ご近所に聞かれても、平気なように!
 だからといって、税務調査の際にチェックされないわけではありません。「同居」については、実態で判断されます。住民票だけを移している「形だけ」の場合には、同居の実態がないと判断されることがあります。同居親族への郵便物の所在や同居親族の勤務会社での通勤手当(定期券)の申請状況、子供の学校はどこなのかなど聞かれることがあります。調査官が近所にヒアリングしたときに「おばあちゃん(被相続人)は一人暮らしだと言っていた」など言われてしまうと、同居の実態がないと疑われます。ご近所に聞かれても平気なぐらいの期間は同居していることが望ましいといえます。

事務所だより令和4年1月号②より抜粋

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親子間の土地の使用貸借とは!?

 通常、土地の貸し借りが行われる場合、借り手は地主に対して地代を支払います。
 権利金の支払が一般的となっている地域では、地代のほか権利金などの一時金を借地権設定の対価として支払います。
 しかし、親の土地に子どもが家を建てた場合などは、通常、地代や権利金を支払うことはありません。このように地代も権利金も支払うことなく土地を借りる場合を土地の使用貸借といいます。

 親の土地を使用貸借して子どもが家を建てた場合、子どもが親から借地権相当額の贈与を受けたことになるのではと疑問が生じますが、使用貸借による土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、子どもに借地権相当額の贈与税が課税されることはありません。
 ただし、この使用貸借されている土地は、将来親から子どもが相続するときに相続税の対象になります。また、親の借地に子どもが家を建てたときにも、通常、地代や権利金を支払うことはありません。このように親の借地権を子どもが無償で使用した場合を借地権の使用貸借といいます。

 借地権の使用貸借に係る使用権の価額はゼロとして取り扱われますので、子どもに贈与税が課税されませんが、借地権の貸借が使用貸借ではない場合には、実態に応じて、借地権または転借権の贈与として贈与税がかかる場合があります。

 また、親の借地に家を建てた場合に贈与税が課税されないためには、「借地権の使用貸借に関する確認書」を税務署に提出する必要があります。
 この確認書は、借地権を使用する子どもと借地人である親、地主の3人が連名でその借地権を使用貸借で又借りしていることを確認するものです。この使用貸借とは、地代も権利金も支払うことなく借地権の貸し借りを行うことをいいます。

 なお、この使用貸借されている借地権は、将来親から子どもに相続するときに、相続税の対象となり、その借地権の価額は、他人に賃貸している借地権ではなく、自分で使用している借地権の評価額となります。
 また、上記の使用貸借されている土地の相続税の計算の価額も、他人に賃貸している土地ではなく、自分が使用している土地として評価され、貸宅地としての評価額ではなく、更地としての評価額となります。

(注意)
 令和3年6月14日現在の情報に基づいて記載しております。

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生命保険金受取人の実質判定

 生命保険に加入すると、保険金の受取人を指定しますが、いざ被保険者が死亡した時、保険金を渡したい人が当初から変わってしまっているときもあります。そのような場合、課税関係はどうなるのでしょうか。

◆両親から妻や子への名義変更
 社会人になって初めて生命保険に加入するとき、保険金の受取人に自身の両親を指定することが少なくありませんが、その後、結婚して子供が生まれ、家族ができてからも保険金受取人の変更手続きをせずに親の名義のままとなっている場合があります。
 しかし、自身が病気や不慮の事故で死亡してしまったとき、残された家族の生計を支えていくことを思えば、保険金の受取人は妻や子になってほしいところです。

◆受取人名義変更の課税関係
 相続では保険金受取人は、保険契約上の受取人となりますが、保険金受取人以外の者が現実に保険金を取得している場合、保険金受取人の変更手続きがなされていなかったことについて、やむをえない事情があるなど相当の理由があると認められるときは、実際に保険金を受け取った者を保険金受取人とする取扱いがあります。
 契約上の保険金受取人である両親も妻や子を保険金受取人とすることを望み、やむを得ない事情があると認められれば、妻や子のみなし相続財産として課税対象となり、また、相続人となるので非課税措置の適用を受けることもできます。
 なお、生命保険金の受取人名義を変更した時点では課税関係は生じません。被相続人が自身を被保険者とし、保険料を負担している場合は、保険事故(被保険者の死亡)が発生して保険金の受取りが確定したときに課税関係が生じます。

◆離婚した元妻からの名義変更
 ところで妻を受取人とする生命保険に加入していた夫が、離婚しても受取人名義を元妻のまま変更せずに死亡してしまったら、どうなるでしょうか。この場合、元妻は離婚しても保険金受取人の地位を失わないため、生命保険金は元妻に支払われ、みなし相続財産として課税対象となります。そして元妻は相続人ではないので生命保険金の非課税措置の適用は受けられません。
 離婚するときは、財産分与とあわせて、生命保険金受取人の名義変更についても忘れないようにしましょう。

事務所だより令和4年1月号①より抜粋

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生命保険金の相続税申告

 生命保険金は、相続に際して節税商品や納税資金として利用されますが、うっかりして相続税の申告が必要なことに気付かないまま、税務調査で申告漏れを指摘される事例が今年に入って増えています。多くは納税者の誤解や失念、税理士への事前説明が漏れたことによるものですが、税務署に隠蔽仮装と指摘されて思わぬ税負担を求められることがあるので注意が必要です。

◆生命保険金は相続財産ではない
 生命保険金は相続によって被相続人から承継されるものではなく、保険金受取人の固有の財産であるため、遺産分割の対象とはなりません。また、被相続人が生前、相続人に贈与した生計の資本、養子縁組や婚姻のための贈与(特別受益)にも該当しないため、生命保険金は相続税の申告対象にはならないと思うかもしれません。

◆相続税では相続財産とみなして課税される
 しかし、相続税では被相続人が保険料を負担した生命保険金も申告対象となります。民法上の相続財産ではありませんが、経済実質的には、被相続人の死亡によって財産を取得するので、相続財産又は遺贈財産とみなして相続税が課税されます。その際、法定相続人1人当たり500万円の非課税措置があるので、限度額を超える部分のみの課税で済みますが、申告が必要なことに変わりはありません。
 なお、生命保険金は特定の相続人だけが取得するので遺産分割で考慮すべきか気になるところですが、判例には保険金の額、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人に対する介護の度合い、各相続人の生活実態などの諸事情を総合考慮して相続人の間で不公平が是認できないほどに著しい特段の事情がある場合は、特別受益に準じて持戻しの対象と解するのが相当であると判示したものがあります。

◆申告漏れとならないように
 税務調査で生命保険金の申告漏れが判明した場合、不足税額に加え、延滞税(納付遅延期間の利子に相当)や過少申告加算税(10%又は15%)が課されます。また申告漏れが隠蔽仮装であると認定された場合は、過少申告加算税に代えて重加算税(35%又は45%)が課され、税負担がさらに重くなります。相続人に生命保険金を受け取る人がいるときは、必ず契約内容を見て課税上の取扱いの確認を受け、申告漏れとならないようにしましょう。

事務所だより令和3年12月号①より抜粋

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味澤昭次税理士事務所
電話:045-620-0637
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