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法人成りの検討

平成29年分の確定申告の後、クライアントから個人の税金と法人成りをした場合の税金との比較を依頼されましたので、検討してみました!

豊中市の方だったので豊中市の国民健康保険料で計算しました。

Ⅰ 現状把握(所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険料など)

平成29年度確定申告書より
売上35,563千円、青色申告控除65万円控除後の所得金額6,668千円、所得控除1,679千円
課税所得金額4,989千円

① 所得税 582千円
② 住民税 514千円
③ 事業税 220千円
④ 国民健康保険料 909千円(別紙豊中市の試算額より)
⑤ 国民年金保険料 392千円(2人分)
(注)国民年金基金については、同様に厚生年金基金があるため考慮せず!

合計①~⑤ 2,617千円





Ⅱ 法人なりをした場合

役員報酬月額50万円として計算(妻はパート収入100万円以下!)

1 法人の税金等

利益6,733千円

役員報酬6,000千円、社会保険料会社負担分901,200円((29,350円+45,750円)×12か月)

赤字となり均等割 法人府民税2万円+法人市民税5万円=7万円
但し、社会保険料会社負担分901,200円



2 個人の税金等

① 所得税 役員報酬月額500千円

給与所得の金額4,260千円
所得控除 社保901,200、生命90,000、地震14,940、配偶者380,000、基礎380,000 
合計1,766,140円

課税所得金額2,493千円  ∴所得税151,800+3,187=154,900円

② 住民税

  給与所得の金額4,260千円
  所得控除 社保901,200、生命63,000、地震7,470、配偶者330,000基礎330,000
  合計1,631,670円

  課税所得金額2,628千円  ∴住民税262,800+5,000-2,500=265,300円

③ 社会保険料(健康保険料+厚生年金保険料 妻は130万円まで扶養)

  901,200円

④ 合計①~③=1,321,400円

3 1+2=(70,000+901,200)+1,321,400=2,292,600円



Ⅲ 比較検討!(平成30年4月6日現在で計算)

法人成りする前、2,617千円
法人成りした後、2,292千円

たいして差がないように思われますが、

① まず厚生年金と国民年金の違い

厚生年金保険料は会社負担分を含めて1,098千円、国民年金保険料は392千円
将来貰える年金額を考慮しなければならない!
(将来のことははっきりしないので、なんとも言えないですが(苦笑))

② 健康保険料と国民健康保険料

内容はほぼ同じですが
健康保険料は会社負担分を含めて704,400円、国民健康保険料は909千円
国民健康保険料は所得が高いと高額になります。

③ 法人成りのデメリット

もちろん利益を6,000千円維持する必要あり。
利益が減少したり、赤字になる場合には個人のままでいたほうが得になります。
赤字でも上記法人住民税7万円は毎年支払う必要あり。
税理士等の決算料(笑)や同業者団体等の会費が高くなる。

④ 法人成りのメリット


法人設立後2年間は消費税が免税
消費税の免税額で法人登記が可能(約40万円弱かな?)

対外的な信用
・会社登記簿謄本
・代表取締役社長の名刺
・取引先の拡大(個人では取引できない企業、ネットショップの出店制限など!)
・融資が受けやすくなります(日本政策金融公庫や銀行など)
・社会保険加入により社員を雇いやすくなります(もちろん会社負担分は増えますが…)

また節税対策がやりやすくなる(親族の取締役就任により役員報酬の支払い、会社契約の生命保険などで将来に備えての役員退職金の準備が可能)

会社の車でガソリン、中元&歳暮などの交際費、毎月の役員報酬の手取り額が可処分所得として把握しやすくなります。

ということで、儲かってきたら法人成りしましょう!
でいいかな?



国民健康保険料試算
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奥村昭彦税理士社会保険労務士事務所