お客様の発展を総合的に支援します。

【更新中】最新情報

「103万円の壁」見直し③-「160万円の壁」で改正案成立-

 2024年末に大きな話題となった「103万円の壁」。いったん与野党間で「123万円の壁」で合意され、2025年の国会協議をへて関連法が成立する予定でした(12月20日の最新情報参照)。話題の年収の壁は、どうなったのか?今回の最新情報では、昨日決定したばかりの国会での結果をご報告します。

(1)年収の壁の金額が変更に
 年明けから始まった「103万円の壁」の国会協議は、衆議院からスタート。改めて与野党間で議論された結果、「123万円の壁」から「160万円の壁」に変更された改正案が3月4日に衆議院を通過しました。そして、ついに昨日3月31日には参議院を通過して改正法案が成立しました。

(2)「160万円の壁」とは
 衆参両院で可決された改正法案「160万円の壁」について、昨年末に合意された「123万円の壁」と比較しつつ、その内訳を解説します。
①「123万円の壁」
 昨年末で合意された「123万円の壁」の内訳をおさらいすると、基礎控除額58万円と給与所得控除額65万円の合算になっています。基礎控除額は現行48万円から58万円へと10万円引き上げられ、給与所得控除額も現行55万円から65万円へと10万円引き上げられました。結果として合計20万円が引き上げられ、「103万円の壁」から「123万円の壁」になりました。図-1をご参照下さい。
②「160万円の壁」
 「123万円の壁」から「160万円の壁」になり、年収の壁の内訳はどう変わったのか確認します。基礎控除額の金額が変更され、年末の10万円引き上げに追加して最大37万円が上乗せされました。ただし、年収に応じて控除額が変わることがポイントです。図-1と図-2をご参照下さい。
 年末合意案の「123万円の壁」では、年収に係わらず基礎控除額と給与所得控除額にて一律10万円が引き上げられました(年収2,545万円を超える高所得者は対象外)。しかし、改正法案の「160万円の壁」では、基礎控除額の引き上げは段階的になります。10万円の引き上げ額に上乗せされるのは、年収200万円までは最大の37万円ですが、年収200万円を超えると年収に応じて控除の上乗せ額が段階的に下がるようになっています。年収200万円以下は37万円上乗せの47万円、年収475万円以下は30万円上乗せの40万円、年収665万円以下は10万円上乗せの20万円、年収850万円以下は5万円上乗せの15万円、年収2,545万円以下は上乗せがなく10万円のままになります。なお、給与所得控除額は「123万円の壁」と同じ10万円引き上げの65万円のまま変わりません。
 この基礎控除額の上乗せについては、年収が少ないほど控除額が大きくなる、つまり納税額が少なくなります。所得税の累進課税の仕組みに近いため、低所得者と高所得者との格差が解消されますが、一方で制度として分かりにくい面もあります。
 さらに、見逃せないポイントがあります。年収200万円を超えるところの上乗せ(図-2赤枠)が、現状の財源では2年間の限定的措置になるといわれています(財源の目途が立てば継続的措置になる可能性あり)。なお、年収200万円以下への上乗せは恒常的措置になります。
160万円の壁_修正
(3)「160万円の壁」の今後の見通し
 「160万円の壁」の改正法案が成立したことにより、今後基礎控除額と給与所得控除額が変更される予定です。所得税は令和7年度から、住民税は令和8年度から適用されると思われます。
 なお、この年収の壁について国民民主党は引き続き「178万円の壁」を主張しています。また、石破首相も「178万円の壁」を目指す考えは変わらないと表明していますが、その財源をどうするのかが焦点になります。いったん「160万円の壁」で改正法案は成立しましたが、今後の動向が注目されます。
(2025年4月1日)

2025年4月1日更新
お気軽にお問い合わせください。
税理士法人 松尾会計