「人生100年時代」といわれるなか、老後資金について不安を感じる方は少なくありません。老後資金の準備に効果的なのが、公的年金に上乗せできるiDeCo(個人型確定拠出年金)です。今回の最新情報では、2025年税制改正に盛り込まれたiDeCoの掛け金上限額と年齢の引き上げについて取り上げます。
(1)iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
iDeCoは、税制優遇を受けながら公的年金の上乗せができる個人型確定拠出年金制度です。厚生年金や企業年金(共済年金)の上乗せがない自営業やフリーランスの方はもちろん、厚生年金や企業年金(共済年金)があっても掛け金が不足していると感じる会社員や公務員の方も、iDeCoに加入すれば将来受け取る年金の金額を増やすことができます。
◎掛ける金額と年齢
掛ける金額は、掛け金の範囲内にて自分で決めることができます。最低5,000円から掛けることができ、掛け金上限額まで掛けることが可能です。掛け金上限額は、自営業者やフリーランス・学生、会社員、公務員、専業主婦(主夫)により違います。
掛けられる年齢は、国民年金被保険者になってから65歳未満までです(上限の65歳未満には条件あり)。国民年金は20歳から加入するため、原則20歳から掛けることができます。
◎iDeCoの税制優遇制度
iDeCoは、「(掛け金)拠出時」「運用時」「受取時」に税制優遇制度が利用できます。
①拠出時
掛け金が全額所得控除になり、所得税や住民税が節税できます。
②運用時
運用益が非課税になり、利益にかかる税金が節税できます。
③受取時
退職金として受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除が利用でき、所得税や住民税が節税できます。
老後資金の準備をしながら節税することができる大変お得な制度のため、加入者が年々増加しています。
(2)2025年税制改正での改正点
2025年税制改正において、iDeCoの制度についても大きく改正されました。なかでも掛け金上限額と年齢の引き上げが見逃せないため、詳しく解説します。
◎掛け金上限額の改正
掛け金上限額は対象者により細かく設定されています。今回の改正では、専業主婦(主夫)を除く対象者について掛け金上限額が引き上げになりました。特に会社員と公務員の引き上げ幅が大きく、企業年金なしの会社員が39,000円引き上げの62,000円(月額)、企業年金ありの会社員が42,000円引き上げの62,000円(月額)、公務員が34,000円引き上げの54,000円(月額)となっています。詳しくは下図をご参照下さい。
現行では、厚生年金や企業年金(共済年金)の上乗せがない自営業者やフリーランス、学生の上限額が高く設定されているのに対して、厚生年金や企業年金(共済年金)が上乗せされる会社員や公務員の上限額はかなり低く設定されています。しかし、今回の改正が実現すれば、会社員や公務員でも掛け金を大幅に増やすことができます。
◎年齢上限の改正
2025年税制改正では、iDeCoの加入年齢も引き上げられました。原則として国民年金を支払う60歳までがiDeCoの加入年齢になりますが、現行では「60歳以上で働いている=厚生年金に加入している会社員や公務員」「年金受給額を増やすために60歳以降も国民年金に加入している任意加入被保険者」については65歳未満まで加入できることになっています。さらに、2025年税制改正では「iDeCoの加入者・運用指図者だった」または「私的年金の財産をiDeCoに移換できる」場合には、70歳未満まで加入できるように改正される予定です。
老後資金の有効な準備手段であるiDeCo。今回の改正によりさらに利便性がアップすると思われます。この機会にiDeCoへの加入を検討されてみてはいかがでしょうか。詳しくは、末尾の厚生労働省の資料をご参照下さい。
(2025年4月21日)