★福利厚生費などの給与・賞与認定の注意点★
法人や個人の会計処理において、福利厚生費や交際費等、外注費などを計上することにより法人税・所得税・消費税等の課税が少なくなります。そのため、これらの費用を認められる以上に計上していると、税務調査で従業員への福利厚生費や交際費等が否認され、従業員給与や役員報酬とされる場合があります。
この場合に会社側には、①費用が少なくなり法人税や消費税が追加納付になる、②従業員等への給与が多くなり源泉所得税が追加納付になる、③加算税・延滞税等が発生する、という負担が生じます。また、従業員側には、①会社が追加納付した源泉所得税を支払う、②給与が多くなり住民税が追加納付になる、という負担が生じます。
福利厚生費や交際費等の否認にともなうリスクは目新しくはありませんが、会計処理において非常に重要な問題です。このようなリスクを避けるため、今月の事務所だよりでは税務調査で福利厚生費などが否認されないための注意点を紹介します。詳しくは末尾のPDFファイル「6月の事務所だより」をぜひご参照下さい。
■福利厚生費での注意点
福利厚生費とは、会社が従業員に給与以外で支給する経済的利益です。具体的には、親睦行事や社員旅行等の費用、食事提供費用などがあたります。会社側では、福利厚生費は課税仕入れになる(給与は不課税仕入れ)ことから消費税の軽減になり、また従業員側では、給与が減ることで所得税や住民税の負担が少なくなるというメリットがあります。
福利厚生費として認定されるには、次の要件を満たす必要があります。
・役員を含む全従業員を対象にする(役員や特定の社員・部署を対象にするのはNG)
・社会通念上妥当な金額である
他にも、食事提供費用など項目ごとに細かい規定があります。詳しくは、添付のPDF【表1】をご覧下さい。
■交際費等での注意点
交際費等とは、事業関係者等に対して行う接待、供応、慰安、贈答などの費用です。従業員のみ対象とする福利厚生費と違って、会社以外の第三者が対象に含まれます。なお、1人当たり1万円を越える場合は交際費等となりますが、1万円以下の場合は除かれるため会議費等で処理します。
交際費等として認定されるには、事業に関係する費用に限られます。代表者や役員の個人的な費用は否認され、給与(賞与)認定されて消費税や源泉所得税などが追加される場合があります。添付のPDF【表2】をご参照のうえ、交際費等の費用計上には注意して下さい。
■外注費での注意点
外注費とは、社内業務を社外の事業者に委託(外注)した費用です。外注費が否認され給与認定されると、多額の源泉所得税が課税され、また消費税の課税仕入れが否認されて消費税が増加する恐れがあります。
外注費と給与を区別するには、様々な判断基準があります。例えば、「事業者の指揮監督を受けるかどうか」が判断基準になり、指揮監督を受ける場合は給与とされ、指揮監督を受けずに自由に行える場合は外注費と認定されます。詳しくは、添付のPDF【表3】をご参照下さい。
給与認定課税リスクを避けるためには、こうした要件を意識する必要があります。特に、代表者や役員などの個人費用の計上には注意が必要です。詳しくは、参考ホームページ添付のPDF(事務所だより)に掲載していますので、ぜひご覧ください。なお、ホームページへの掲載が遅れて大変失礼いたしました。
(2025年7月11日)