・遺産分割は相続人同士で話し合っているうちはまとまりやすいです。しかしながら、それぞれの相続人の配偶者が入ってくるとどうしても話がまとまりづらくなります。誰かが、例えば弁護士さんに相談し出すと、他の人も第三者に相談し出します。こういう話に入りたがる第三者は結構多いものです。できるだけ親族だけで話し合いましょう。
・亡くなった人の戸籍を見て初めて、相続人に兄弟姉妹が他にいることを知ることもあります。認知しているケースは勿論ですが、行方不明になっているなどの事情で誰にも教えていなかったケースなどあります。
・配偶者は大きな控除が認められているので、配偶者が継承すると相続税的には有利です。しかしながら順番からいけば、次はその配偶者が亡くなるわけですから、2次相続が発生します。その為、あえて子供たちが相続するのもありうる話です。特に、子供が事業をしている場合には、借入の担保余力をつけるため不動産は子供に相続したり、株の分散を防ぐため株は子供に集中して相続したりもします。つまり、相続税を安くすることだけ考えて遺産を分割することが、必ずしも最良ではないということです。
・配偶者が専業主婦である場合は収入がありません。そのため配偶者の銀行口座に多額の預金残高がある場合には、亡くなった人の財産として相続財産に算入される場合もあります。また、亡くなった人が事業をしていて、なおかつ白色申告をしていた場合も、配偶者は専従者給与をもらえていないですから注意が必要です。
・孫に多額の預金残高のある場合も同様です。生前贈与により資産を贈与している場合がありますが、贈与はあくまでも契約行為です。赤ん坊や幼児など「あげる」「もらう」を認識できないのではないかと考えられる場合は、預金口座の名義が孫でも相続財産に算入される可能性があります。