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お役立ち情報

分離課税

Ⅰ 土地・建物の売却
(1)所得の計算方法
資産を譲渡した日は、原則として、売買など譲渡契約に基づいて資産を買主などに引き渡した日をいいますが、売買契約などの効力発生の日に譲渡があったものとして確定申告することもできます。
契約の効力発生の日とは一般的には契約締結の日です。
マイナンバーと前年度の確定申告書の控え、登記簿謄本、購入時と売却時の売買契約書、譲渡費用の領収書、通帳と銀行印を事前に用意してください。
年金や給与所得がある場合や医療費控除は同時に申告することとなります。
同一敷地で居住用と事業用が混在する場合は面積を按分します。
親族に売却した場合は特例は適用されず、時価との差額にみなし譲渡税が課税される場合があります。
(2)譲渡所得の金額
1 総合 土地、建物以外の譲渡所得
 車といった事業用資産の所有期間が5年を超える場合2分の1が課税
 譲渡価額 ー(取得費+譲渡費用)ー 特別控除50万円=譲渡所得
2 短期譲渡所得
 課税短期譲渡所得金額×(所得税30+住民税)9%
3 長期譲渡所得
 課税短期譲渡所得金額×(所得税15+住民税5)%
 他に復興特別所得税として2.1パーセントを納付することになります。 
土地や建物の譲渡による所得は、他の所得と合計せず、分離して計算算します。
長期譲渡所得とは、譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超える土地や建物の譲渡による所得です。
4 居住用財産を売って、10年以上経過している等の一定の要件に当てはまるときは、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例の適用を受けることができます。
6,000万円以下 B=A×(10+0.21+4)%
6,000万円超 C=(A-6,000万円)×(15+0.21+5)%15%+B
5.長期譲渡所得に該当する場合で居住用財産を譲渡したときに生じた譲渡損失の金額については、一定の要件を満たす場合、譲渡をした年に他の所得との損益通算をすることができ、控除しきれない損失は、翌年以後3年間繰り越して控除することができます。
(3)収入金額
収入金額は、通常土地や建物を売ったことによって買主から受け取る金銭の額です。
しかし、土地建物を現物出資して株式を受け取った場合のように、金銭以外の物や権利で受け取った場合にはその物や権利の時価が収入金額となります。
 未経過固定資産税は収入金額となります。
(4)取得費+譲渡費用
 購入時の売買契約書、仲介手数料、収入印紙の領収書
 購入時の売買契約書がない場合は取得費の5%となります。
 建物価額の記載がない場合は消費税から逆算します。
 建物は減価償却します。
【建物の減価償却費】 
① 事業に使われていた場合
建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の合計額になります。
② 事業に使われていなかった場合
建物の耐用年数の1.5倍の年数(1年未満の端数は切り捨てます。)に対応する旧定額法の償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額にその建物を取得してから売るまでの経過年数を乗じて計算します。
建物の取得価額×0.9×償却率× 経過年数= 減価償却費相当額
(5)特別控除額
土地や建物を譲渡した場合の特別控除額は次のようになっています(特別控除は一定の要件を満たす場合に適用されます)。
(イ)収用等により土地建物を譲渡した場合 ・・・ 5,000万円
(ロ)マイホームを譲渡した場合 ・・・ 3,000万円
(ハ)特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合 ・・・ 2,000万円
(ニ)特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合 ・・・ 1,500万円
(ホ)平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合・・・1,000万円
(へ)相続した空家を更地で売却 ・・・ 3000万円
長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地建物を、また、短期譲渡所得は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の土地建物をそれぞれ譲渡したことによる所得をいいます。
土地、建物の譲渡所得から差し引く特別控除額の最高限度額は、年間の譲渡所得全体を通じて5,000万円です。
(5)添付書類
① 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
② 購入した時の売買契約書
③ 仲介手数料、印紙等の譲渡費用の領収書
④ 売却した売買契約書
⑤ 登記事項証明書 譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書に不動産番号を記載すればその添付を省略することができます。
⑥ 振替依頼書
⑦ マイナンバー 戸籍の附票の写し
⑧ 利用者識別番号


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2023年6月3日更新
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