Ⅰ 書面添付
33条の2の書面及び35条の意見聴取とは、調査の通知前に、税務代理権限証書を提出している税理士に統括が連絡して添付書面に記載された事項に関する意見を述べる機会を与えなければならないこととされています。
また意見聴取を行った結果、調査の必要性がないと認められた場合に、税理士等に対し現時点では調査に移行しない旨を原則として書面により通知しないといけません。
法第33条の2の書面を作成することにより、納税者に対する税理士の責任の範囲が明確化されることにもなり、現在所得税で1.5%、法人税で約10.2%、相続税で24.6%の提出状況です。
Ⅱ 税理士法
(税理士の業務)
第二条 税理士は、他人の求めに応じ、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 税務代理
二 税務書類の作成
三 税務相談
2 税理士は、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。
(脱税相談等の禁止)
第三十六条 税理士は、不正に国税若しくは地方税の賦課若しくは徴収を免れ、又は不正に国税若しくは地方税の還付を受けることにつき、指示をし、相談に応じ、その他これらに類似する行為をしてはならない。
(秘密を守る義務)
第三十八条 税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、また同様とする。
(税理士業務の制限)
第五十二条 税理士でない者は、税理士業務を行つてはならない。
Ⅲ 税務調査
1. 種類
地域の税務署が行う任意調査と、国税局査察部が裁判所の令状を持って行う強制調査があります。
任意調査の件数は、4万8千件です。
1 実地調査(特別調査・一般調査)とは、⾼額・悪質な不正計算が⾒込まれる事案を対象に深度ある調査を⾏うもので、特に、特別調査は、多額な脱漏が⾒込まれる個人を対象に、相当の⽇数(1件当たり10⽇以上を目安)を確保して実施しているものです。
2 実地調査(着眼調査)とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が⾒込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で⾏う調査です。
3 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、⽂書、電話による連絡⼜は来署依頼による⾯接を⾏い、申告内容を是正するものです。
一般調査は事前通知があり日程調整をし、事務官か調査官が1人か2人でやつてきて3年分の申告書を調査対象とし10時から4時の2日間程度で終了します。
個人で調査を受けた過去があると、法人成りすると法人に調査が入ります。
特別調査は、事前通告なしで7人ほどでやつてきて7月10日の移動日をまたいで調査日数が2年を超えることもあります。
査察は、拒否することも、税理士が立ち会ったりすることもできません。
令和5年度に査察調査に着手した件数は、154件で、脱税総額は119億8000万円です。
令和6年度に査察調査に着手した件数は、98件で、脱税総額は82億円で13人に2年6か月の実刑判決が出されてます。
4. 無予告で実地調査が行われるケース
実地調査は事前に調査を実施する旨の連絡がありますが、事前に連絡することで逃亡や不正の証拠を隠蔽・破棄する恐れがある場合には、無予告で実施されることもあります。
無予告調査でも予告調査と行われる内容は変わりありません。
Ⅲ 国税OB税理士
税務職員になるには中学、高校を卒業後2年以内の国家公務員採用一般職試験、大学卒の
国税専門官試験、金融やITに詳しい社会人試験があります。
国税専門官試験は民法・商法、会計学(簿記を含む。)は必須、経済学、財政学、経営学等は選択、記述式が1問選択、採用予定数は国税専門A(法文系)約1,050名、国税専門B(理工・デジタル系) 約 100名です。
国家試験としてはBランク大学なら合格する試験でしたが、阪神大震災以後の就職氷河期後、Aランク大学も受験するようになつています。
10年以上勤務しすると税法科目が免除されますので在職中に簿財に合格すれば32歳で税理士になります。
23年以上は、会計学に属する科目が免除されますので40歳になると税理士となります。
税理士登録数はおおよそ2千人なので国税OB税理士が1500人とすると、税理士試験5科目合格者は500人となります。
しかし近年、60歳の定年を迎えても 統括や総括から調査官と格下げとなり給与が1/3となるのに定年延長を選択、退職しても税理士登録しない税務署員が多くなつています。
